01 原因と働き方を先に見る
同じけがでも、仕事や通勤が原因なら労災保険、業務外なら加入している医療保険などを考えることになります。原因を確認せず給付名だけを選ばないようにしましょう。
失業や休業も一つではありません。雇用保険の基本手当、育児休業等の給付、介護休業給付は、働く人の状況と要件で使い分けます。
02 労災・雇用保険・休業給付
仕事・通勤の事故と給付
労災保険は業務上や通勤による傷病などに関係します。治療、休業、障害、遺族など、事故後の状態で給付が変わります。健康保険の傷病手当金と名称や目的が似ていても、原因が違います。
通勤の経路や業務との関係などは、事情を確認して判断します。試験では業務上・通勤・私傷病の区別を先に付けます。
雇用保険は失業だけではない
仕事を離れたときの基本手当は、就職する意思と能力、求職活動、被保険者期間などを確認します。再就職や教育訓練を支える給付もあります。「退職したから自動的に受け取る」と考えないでください。
給付日数や金額は離職理由、年齢、加入期間などで変わります。受検期間に対応する公的な表を使い、古い定額例をそのまま暗記しないことが安全です。
育児・介護の休み方と収入
育児休業や出生時育児休業、育児時短就業には、休む期間・働く時間・給付の要件がそれぞれあります。出産費用の給付と、仕事を休む間の収入補填を分けます。
介護では休業、休暇、勤務時間の調整、介護保険サービスを組み合わせます。介護休業給付は介護保険のサービス費用そのものではありません。家族の状態と働き方を分けて確認します。
- 仕事中・通勤中のけが → 労災保険を確認
- 失業して求職する → 雇用保険の基本手当を確認
- 育児で休む → 育児休業と雇用保険の給付を確認
- 家族の介護で休む → 介護休業と雇用保険の給付を確認
図は理解用の整理です。適用要件や最新の数値は本文と一次情報で確認してください。
03 給付名を選ぶ手順
「何が起きたか」と「どの保険に加入しているか」を先に書きます。仕事・通勤の事故、業務外の病気、失業、育児、介護を分けるだけで、似た給付をかなり絞れます。
04 例題で確認する
正解を選んだあと、全選択肢の理由まで確認しましょう。このページの回答履歴は保存しません。
問1
ある店に雇われる週12時間勤務のアルバイトが、仕事中にけがをした。労災保険の説明として適切なものはどれか。
正解:労働者であるアルバイトも対象になり、労災保険料は事業主が全額負担する。
- A:週20時間という雇用保険の加入基準を労災保険へ当てはめています。
- B:労働者であれば雇用形態や短時間勤務だけで対象外にせず、保険料は事業主負担です。
- C:労災保険料は労使折半ではなく、全額事業主が負担します。
問2
基本手当について、いずれも65歳未満で被保険者期間は適正に数えられている。受給資格の基本条件を満たす人はどれか。
正解:離職前2年間の被保険者期間は16か月。働く意思と能力があり、求職活動をしているが就職できない。
- A:一般の自己都合離職では原則2年間に12か月以上が必要で、8か月では不足します。
- B:被保険者期間の原則を満たし、働く意思・能力と求職活動を伴う失業状態です。
- C:加入期間が長くても、働く意思や求職活動がない点で条件を満たしません。
問3
所定の取得要件を満たす父親が、出産予定日どおりに生まれた子を養育する。産後パパ育休と通常の育児休業の説明として適切なものはどれか。
正解:産後パパ育休は出生後8週以内に計28日まで2回に分けられ、通常の育児休業は原則1歳まで2回に分けられる別枠である。
- A:産後パパ育休の28日と通常の育児休業は別枠です。
- B:時期、日数、分割回数を正しく区別しています。
- C:通常の育児休業は男女とも対象です。父親も条件を満たせば取得できます。
問4
介護休業の対象を考える説明として適切なものはどれか。労働者本人は休業の取得要件を満たしている。
正解:対象家族が2週間以上にわたり常時介護を要する所定の状態かを判断し、公的介護保険の認定の有無だけでは決めない。
- A:対象家族は高齢の父母だけではなく、所定の状態にある子なども含みます。
- B:育児・介護休業法の要介護状態と介護保険の認定基準を混同しています。
- C:対象家族の範囲と状態を確かめる、正しい判断方法です。
05 要点をまとめる
- 労災は仕事・通勤との関係を見る。
- 雇用保険には失業以外の給付もある。
- 育児・介護では休業制度と所得補償を分ける。
- 給付額・期間は対象者と適用日で確認する。