01 困っている場面から制度を探す
医療費を払う場面と、働けず収入が減る場面は別です。公的医療保険は診療費の負担に関わり、被用者保険には傷病手当金など休業中の所得を支える給付もあります。まず何に困っているかを分けます。
制度名だけを見ず、本人の働き方、家族の扶養関係、事故の原因、年齢を確かめます。給付額や対象要件は時点で変わるため、このページでは制度の役割と確認順を中心に学びます。
02 医療・休業・介護の仕組み
加入先と扶養は働き方で決まる
会社員等の健康保険、自営業者等の国民健康保険、一定年齢以上の後期高齢者医療制度は加入の入り口が異なります。健康保険の被扶養者となれるかは続柄、主として生計を維持されていること、収入等の条件を確認します。税の扶養とは別の判定です。
退職後は任意継続、国民健康保険、家族の被扶養者などを比較します。保険料だけでなく、加入期限や給付の違いも確認してください。
窓口負担・高額療養費・休業の給付
診療費の総額と窓口で払う自己負担は異なります。高額療養費は、同じ月の対象となる自己負担が所得区分等に応じた限度を超えた場合の制度で、差額ベッド代など対象外の費用もあります。限度額は受診時期の公式表で確認します。
業務外の病気やけがで働けない場合の傷病手当金は、医療費の払い戻しではなく休業中の所得補償です。出産では医療費に関する給付と、仕事を休む期間に関する給付を分けます。
介護保険では年齢と原因を確認する
公的介護保険は、被保険者区分によってサービスを使える条件が違います。65歳以上の第1号被保険者と、40〜64歳の医療保険加入者である第2号被保険者を区別します。後者は特定疾病による要介護・要支援状態かを確認します。
要介護認定を受けた後も、サービスの種類、自己負担、利用限度などが関係します。家族が介護で働けない問題は、介護サービスそのものとは別に勤務先制度や雇用保険の給付も考えます。
- 病気・けが:診療費は医療保険
- 働けない:休業中の所得を支える給付を確認
- 介護:年齢・原因・認定を確認
図は理解用の整理です。適用要件や最新の数値は本文と一次情報で確認してください。
03 加入者と給付の確認順
設問の出来事を「診療費」「休業中の収入」「介護サービス」に分け、働き方・年齢・事故原因・加入先の順に確かめます。高額療養費の計算では、対象月と対象費用を先にそろえます。
2026年の制度変更がある項目では、実際の施行日と試験法令基準日を分け、古い数字を一律に当てはめないでください。
04 例題で確認する
正解を選んだあと、全選択肢の理由まで確認しましょう。このページの回答履歴は保存しません。
問1
①病気の診療費、②老齢・障害・遺族の所得保障、③所定の状態にある人の介護サービスを支える主な制度の組合せはどれですか。
正解:①医療保険、②公的年金、③介護保険
- A:必要になる支えと制度の役割が対応しています。
- B:医療費、所得面の保障、介護サービスの役割が入れ替わっています。
- C:公的年金は診療費の制度ではなく、介護サービスも雇用保険の中心的な役割ではありません。
問2
適用事業所で働く学生について、週の所定労働時間と月の所定労働日数は、同じ業務の通常の労働者のいずれも4分の3以上です。雇用は継続予定で、ほかの適用除外はありません。「学生なので健康保険の加入対象外」とする説明は適切ですか。
正解:誤り
- A:学生の除外を、4分の3基準を満たす人にまで一律に当てはめています。
- B:4分の3基準を満たす人は、学生という理由だけでは加入対象外になりません。
問3
2026年4月の診療について、70歳未満・標準報酬月額28万〜50万円の通常区分で、総医療費60万円の3割を窓口で払いました。多数回該当・合算・保険外費用はありません。限度額を80,100円+(総医療費−267,000円)×1%とすると、限度額と払い戻し額はどれですか。
正解:限度額83,430円、払い戻し96,570円
- A:600,000円を式へ代入して83,430円。180,000円から引くと96,570円です。
- B:3割の180,000円を総医療費として式へ代入しています。総医療費は10割です。
- C:限度額と払い戻し額が逆です。
問4
医療保険に加入して働く45歳の人と、働き続けている67歳の人がいる。介護保険の区分として適切なものはどれか。
正解:45歳は第2号、67歳は第1号被保険者である。
- A:就労の有無では区分しません。65歳以上は第1号です。
- B:40〜64歳の医療保険加入者は第2号、65歳以上は第1号です。
- C:介護保険への加入は退職が条件ではありません。
05 要点をまとめる
- 加入先は働き方と年齢で確認。税の扶養と健康保険の扶養は別。
- 診療費の負担と休業中の所得補償を分ける。
- 高額療養費には対象外の費用と所得区分がある。
- 介護保険は被保険者区分と要介護の原因を確認。