01 まずこれだけ
病気で仕事を休むと、治療費を払うだけでなく、収入が減ることもあります。死亡した場合は、残された家族の生活費や教育費が問題になります。「保険に入るか」より先に、「誰が、いつ、何のお金に困るか」を書き出すのが出発点です。
次に、公的保険や勤務先の制度、すでにある貯蓄を確かめます。民間保険はその代わりではなく、不足する部分を補う選択肢です。名前や月々の保険料だけで契約を決めないようにします。
保険というと病院代を思い浮かべやすいですが、休業中の生活費にも目を向けてみましょう。

ハルの疑問のように、まず「何のお金が変わるか」を整理します。
02 仕組みを理解する
保障を二重に数えず、不足額を見る
例えば同じ期間に必要な資金が50万円で、公的制度等から32万円、契約済みの民間保険から5万円、充てられる貯蓄が8万円あるとします。不足は 50−32−5−8=5万円 です。これは計算練習の架空の条件で、実際の公的給付額を示しません。
必要な金額と、手元に入る時期もそろえて比べます。給付が後から届くなら、それまでの支払いに使える資金も考えなければなりません。
生命保険で何を受け取るか
生命保険では、死亡時の保険金、生存して満期を迎えたときの保険金など、支払事由を契約ごとに読みます。保険料は保障額・期間・年齢などに関係します。配当の有無や解約返戻金も契約条件と解約する時期で変わり、保険金額と同じ数字ではありません。
03 違い・条件を整理する
定期・終身・養老を比べる
定期保険は決められた期間の死亡保障、終身保険は一生涯の死亡保障、養老保険は保障期間中の死亡保険金と満期時の生存保険金を持つ型です。下の図は期間の違いを示す概念図で、保険料の金額や払込終了時点を示していません。
実線が保障、破線が保険料の払込です。長さは比較用の例で、実際の払込期間・保障期間は契約ごとに確認します。
とくに終身保険では、保障期間と保険料払込期間は別です。保険料を60歳で払い終えても、契約で一生涯の保障が続く場合があります。実際の保険証券では二つの期間を別々に確認します。
家族の変化で必要額も変わる
子が生まれたときと独立した後では、必要な生活費や教育費の期間が変わります。必要支出から、公的な遺族保障、働く家族の収入、資産などを引いて不足を見積もります。死亡保障を増やす前に、家族構成と既存の備えを同じ時点で整理することが大切です。
04 試験ではここを見分ける
設問では「何の支出か」「いつ必要か」「すでに受け取れるものは何か」を先に確認します。契約の種類はその後です。定期と終身は死亡保障が続く期間、養老は満期時の受取もある点を見分けます。解約返戻金や配当を、確定した死亡保険金と混同しないでください。
05 例題で確認
ここまでの判断を、ページ内で確かめます。回答は保存されず、再読込すると未回答に戻ります。
問1
ある出来事に備える資金を表のように見積もりました。金額は同じ期間に対応し、受取予定の給付と充てる貯蓄に重複はありません。必要資金から、表の備えをすべて差し引いた不足額はいくらですか。これは計算練習用の仮定で、実際の公的給付額を示すものではありません。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 必要な資金 | 50万円 |
| 公的制度・勤務先からの給付等 | 32万円 |
| 既に契約している民間保険の給付 | 5万円 |
| この目的に充てられる貯蓄 | 8万円 |
同じ期間の金額です。給付等と貯蓄に重複はなく、ほかの備えはないものとします。
正解:5万円
- A:50−32−5=13万円で、さらに充てられる貯蓄8万円を差し引く前の金額です。
- B:50−32−5−8=5万円です。制度・勤務先、既契約、貯蓄という備えを重複なく差し引きます。
- C:50−32=18万円で、既契約の給付5万円と充てられる貯蓄8万円が反映されていません。
問2
生命保険の配当や解約返戻金は、保険金額とは別に、契約条件と時期を確認して扱う。
正解:正しい
- A:生命保険の配当や解約返戻金は、保険金額とは別に、契約条件と時期を確認して扱う。 このテーマでは、対象者・時点・条件を分けて確認する。
- B:この説明は正しい。対象や条件を確認せずに一律に判断することはできない。
問3
終身保険では、保障期間が一生涯であることと、保険料の払込期間が一生涯であることは同じ意味ではない。
正解:正しい
- A:終身保険では、保障期間が一生涯であることと、保険料の払込期間が一生涯であることは同じ意味ではない。 このテーマでは、対象者・時点・条件を分けて確認する。
- B:この説明は正しい。対象や条件を確認せずに一律に判断することはできない。
問4
子が生まれた家庭が死亡保障を見直す。保険金額だけを増やす前に確認すべきことを選ぶ。 このテーマの判断として、最も適切なものはどれか。
正解:家族構成、時期、必要支出、既存保障、資産、収入を同じ表に置く。
- A:家族ごとの必要額と既にある備えを同じ時点で比べられる。
- B:給付と収入だけでは、必要な支出が分からず不足額を求められない。
- C:既存の保険や資産を先に引かなければ、必要な追加保障を過大に見積もり得る。
06 まとめ
- 保険の前に、公的保障・勤務先・貯蓄を確認する。
- 同じ期間の必要額と既存の備えを比べ、不足額を求める。
- 定期・終身・養老は保障期間と満期時の受取が違う。
- 保障期間と払込期間は別に読む。