01 年金は誰の何を支える?
公的年金の土台は国民年金の基礎年金で、会社員等は厚生年金にも加入します。同じ「年金」でも、加入中の働き方と、受給の原因を分けなければいけません。
毎年の年金額や改定率は変わります。まず制度の構造と要件を理解し、金額は受検対象期間の公式資料で確認します。
02 加入区分と三つの給付
加入区分を決める
国民年金の第1号、第2号、第3号被保険者は、年齢だけでなく働き方と扶養関係で区別します。厚生年金に加入する人は第2号となり、一定の要件を満たす扶養配偶者は第3号です。勤務先を変えたときは区分変更の手続も重要です。
保険料を納めた期間だけでなく、免除・猶予などの期間が受給資格や年金額にどう関わるかを確認します。「加入期間」と「受給できる額」は同じ問いではありません。
老齢・障害・遺族を分ける
老齢年金は年齢と加入・納付の記録を、障害年金は初診日や障害状態などを、遺族年金は亡くなった人の加入と遺族の関係などを確認します。老齢だけ覚えて障害・遺族を落とさないようにします。
繰上げ・繰下げ、在職中の扱い、遺族の対象範囲などには細かな条件があります。設問ではまず誰の、どの出来事に対する給付かを決め、次に受給要件を読みます。
上乗せの年金と税
企業年金や個人年金は公的年金の土台の上にある備えです。勤務先の制度、iDeCo等の自分で積み立てる制度、民間保険の個人年金を一括りにしないでください。
掛金を払うときの控除と、受け取るときの所得区分は別の判断です。税はD分野で詳しく扱いますが、ここでは公的年金等に当たるか、退職時の一時金か、契約による個人年金かを見分けます。
- 1階:国民年金(基礎年金)
- 2階:厚生年金(対象となる働き方)
- 給付の目的:老齢・障害・遺族
図は理解用の整理です。適用要件や最新の数値は本文と一次情報で確認してください。
03 年金問題の読み方
問題文の人物について、働き方→国民年金の被保険者区分→厚生年金加入の有無→出来事(老齢・障害・遺族)の順に線を引きます。給付額の計算より先に対象制度を確定します。
04 例題で確認する
正解を選んだあと、全選択肢の理由まで確認しましょう。このページの回答履歴は保存しません。
問1
公的年金について適切な説明はどれか。
正解:公的年金には老齢・障害・遺族を支える給付があり、厚生年金に入る会社員は基礎年金を土台に上乗せ部分も考える。
- A:給付の役割と、基礎年金・厚生年金の関係を正しく説明しています。
- B:公的年金は個人の預金と異なる社会保険で、障害・遺族にも給付があります。
- C:厚生年金に加入する人も基礎年金が土台です。
問2
国民年金の第2号被保険者は、厚生年金保険の被保険者である。
| 見分ける点 | 仕組み・条件 | 確認すること |
|---|---|---|
| 加入区分 | 国民年金の被保険者区分と、厚生年金保険の被保険者かを働き方から確認する。 | 扶養される配偶者等の扱いも別に読む。 |
| 老齢給付 | 受給資格期間、受給開始、繰上げ・繰下げの効果を分ける。 | 受給時期だけで金額を断定しない。 |
| 障害・遺族 | 初診日や死亡者との関係、保険料納付等の要件を確認する。 | 障害状態・家族関係だけで決めない。 |
| 請求 | 年金は請求や届出が必要となる場面がある。 | 通知、手続先、基準日を確認する。 |
法令基準日:2026年4月1日。個別の数字や手続は、対象年・施行日・経過措置を一次情報で確認します。
正解:正しい
- A:国民年金の第2号被保険者は、厚生年金保険の被保険者である。 このテーマでは、対象者・時点・条件を分けて確認する。
- B:この説明は正しい。対象や条件を確認せずに一律に判断することはできない。
問3
確定拠出年金では、掛金だけでなく、運用商品の選択や受取開始の条件を確認する必要がある。
| 見分ける点 | 仕組み・条件 | 確認すること |
|---|---|---|
| 確定給付型 | 給付の約束と事業主の責任を確認する。 | 将来の受取額と運用結果の関係を読む。 |
| 確定拠出型 | 掛金、運用商品の選択、受取開始の条件を分ける。 | 拠出と運用の責任を混同しない。 |
| 個人の制度 | iDeCo、国民年金基金、小規模企業共済等は加入できる人と目的が異なる。 | 加入資格・掛金・引出制限を確認する。 |
| 財形・個人年金 | 給与天引きの制度と民間の個人年金保険は同じ商品ではない。 | 目的・契約者・受取条件を比べる。 |
法令基準日:2026年4月1日。個別の数字や手続は、対象年・施行日・経過措置を一次情報で確認します。
正解:正しい
- A:確定拠出年金では、掛金だけでなく、運用商品の選択や受取開始の条件を確認する必要がある。 このテーマでは、対象者・時点・条件を分けて確認する。
- B:この説明は正しい。対象や条件を確認せずに一律に判断することはできない。
問4
民間企業で働き、初診日に厚生年金保険に加入していた人が、仕事以外の事故で障害の状態になった。最初に検討する公的年金の組合せとして適切なのはどれか。
正解:障害基礎年金と障害厚生年金の対象要件
- A:老齢基礎年金は老齢に対する給付で、設問の障害状態を直接扱うものではない。
- B:厚生年金加入中の障害では、初診日・納付等の要件を満たすか両制度について確認する。
- C:遺族年金は死亡に伴う遺族への給付である。
05 要点をまとめる
- 国民年金の基礎年金が土台、厚生年金はその上。
- 年金には老齢・障害・遺族がある。
- 加入区分と給付額は別に確認する。
- 企業・個人の上乗せ年金と公的年金を混同しない。