01 売ると貸すはどう違う?
使っていない土地を貸すか、建物を建てるか。収入の大きさだけで決めると、工事費や空室、将来の修繕が見えなくなります。活用前に「誰が費用とリスクを負うか」を確認します。

02 譲渡所得・賃貸経営・活用
売却時の譲渡所得
土地・建物を売ったときは、譲渡価額から取得費と譲渡費用を引き、所有期間による区分を確認します。自宅の売却では要件を満たすと特別控除等が使えることがあります。控除があるから必ず申告不要という意味ではありません。
賃貸の収支を分ける
家賃収入から管理費、修繕費、固定資産税、借入の支払などを分けて記録します。借入返済額と税務上の必要経費は同じではありません。空室や滞納がある期間の現金の流れも見積もります。
土地活用は契約と資金の組合せ
駐車場、賃貸住宅、定期借地などは、初期投資、管理負担、期間中の自由度が異なります。家族の将来利用や相続の見通しを含めて、同じ期間で比較します。
不動産を小口化してもリスクは残る
不動産投資信託などは少額で複数物件の運用に参加できる方法ですが、価格変動、空室、金利、運用費用の影響があります。現物を直接持つ場合と、証券化商品を持つ場合の権利や換金条件は違います。
六分野の知識につなぐ
不動産の購入・保有・売却では、資金計画、借入、所得税、相続・贈与が同時に関係します。知識を一つの制度で終わらせず、人物、時点、契約をまとめて確認します。
- 取得時 → 不動産取得税・登録免許税・印紙税など
- 保有中 → 固定資産税・都市計画税など
- 譲渡時 → 土地・建物の譲渡所得に対する税を確認
図は理解用の整理です。適用要件や最新の数値は本文と一次情報で確認してください。
03 取得費と現金収支の読み方
売却では譲渡価額から取得費・譲渡費用を差し引き、所有期間と特例の要件を確認します。賃貸では家賃収入と必要経費・借入元本の返済を混同しません。
収入見込みだけでなく、初期費用、運営費、空室時の支払、出口を同じ表に置きます。税や法令の数値は適用年で変わるため、契約の前に一次資料を見ます。
04 例題で確認する
正解を選んだあと、全選択肢の理由まで確認しましょう。このページの回答履歴は保存しません。
問1
取得額1,800万円の賃貸物件で、年間家賃収入120万円、年間の管理・修繕等の費用30万円を見込む。税と借入れを除いた、この条件での単純な費用控除後利回りはどれか。
正解:約5.0%
- A:(120万円−30万円)÷1,800万円=5.0%。
- B:120万円÷1,800万円で、費用を引く前の表面利回りに近い。
- C:費用控除後の90万円を別の分母で割っており、この条件に合わない。
問2
賃貸用建物の借入返済がある。手元の現金収支と、不動産所得の必要経費を比べる説明として適切なのはどれか。
正解:借入元本の返済は現金を減らすが、それ自体を必要経費とせず、利息等は要件を確認する
- A:元本返済自体は必要経費ではない。
- B:現金収支と税務上の所得計算は異なる。業務に対応する借入利息は必要経費になり得る。
- C:元本と利息の扱いは同じではなく、必要経費の時期・要件も確認する。
問3
J-REITを買うことと、賃貸マンションを直接所有することの違いとして適切なのはどれか。
正解:J-REITの投資口は市場で価格が動き、分配金も変わり得る
- A:J-REITには市場価格の変動と不動産賃貸・金利などの影響がある。
- B:元本や分配金は保証されない。
- C:投資口の保有は個別の部屋の直接所有とは異なる。
問4
土地を2,000万円で売り、取得費が1,300万円、売却に直接要した譲渡費用が100万円だった。特別控除を考える前の譲渡所得はいくらか。
正解:600万円
- A:2,000万円−1,300万円−100万円=600万円。所有期間や特例はこの後に確認する。
- B:取得費だけを引き、譲渡費用を引いていない。
- C:譲渡価額から譲渡費用だけを引き、取得費を引いていない。
05 要点をまとめる
- 譲渡所得は取得費・譲渡費用・所有期間・特例を確認する。
- 家賃収入と手取りは同じではない。
- 活用方法ごとに費用・期間・管理負担を比較。
- 証券化しても価格・金利・物件リスクは残る。
- 不動産は資金計画・税・相続とつながる。