01 取得と保有で税はどう変わる?
同じ家でも、買うときの税、登記の税、毎年の税、売った年の税は別です。売買代金をどの税の課税標準にもそのまま使うわけではありません。
02 取得時・保有中の税金
不動産を取得したときに、一度かかる地方税
不動産取得税は、土地や家屋を取得した人に都道府県が課す税金です。毎年の固定資産税や、登記するときの登録免許税とは場面が違います。土地と建物を同時に買う場合も、それぞれの税額を求めて合計します。資金計画では売買代金とは別に準備する費用です。
売買だけでなく、贈与や交換、家屋の新築なども原則として対象です。有償か無償か、登記を済ませたかだけでは決まりません。一方、相続による取得は原則非課税です。贈与税の配偶者控除などが使えることと、不動産取得税が非課税になることも別に判断します。
取得の税金と、登記の税金は別に考える
登録免許税は、登記などの手続に対する国税です。不動産取得税がかからない相続でも、所有権を移転する登記には原則として登録免許税がかかります。同じ取得に複数の税が関係するため、税名だけでなく、どの手続の費用かを確認します。
新築の建物で初めて所有権を登記する保存と、売買や相続で名義を変える移転も違います。さらに、融資の担保として抵当権を設定する登記は別です。一つの住宅購入で複数の登記があっても、それぞれの原因・課税標準・税率を選びます。
土地は非課税、事業として売る建物は課税対象
土地や借地権の譲渡は、事業としての取引でも消費税の非課税です。一方、課税事業者が事業として売る建物の代金には、原則として消費税がかかります。新築か中古かだけでは決まりません。住宅を人に貸す家賃の非課税と、賃貸用の建物自体を売る場合の課税も区別します。
例えば課税事業者から土地1,800万円と建物の税抜価格1,200万円を買い、建物の税率が10%なら、消費税は120万円です。売買代金の合計は1,800万円+1,200万円+120万円=3,120万円です。土地に180万円を上乗せする計算はしません。
取引の金額ではなく、文書の作成にかかる税金
印紙税は、法律に定める課税文書を作成したときにかかる国税です。不動産売買の契約書や建築工事の請負契約書などが関係します。「覚書」「確認書」という名前だけでは決まらず、当事者が何を証明する文書なのかを内容から判断します。
登録免許税が登記の手続に関係するのに対し、印紙税は契約書等の文書に関係します。銀行の振込手数料や仲介報酬とも別です。不動産購入の諸費用を整理する際は、何のための支出かを対応させます。
持っている間も、毎年の税金を確かめる
固定資産税は、土地・家屋・事業用の償却資産などを対象とする市町村税です。東京都23区では都が課税します。賃貸物件で家賃が入らない月があっても、所有に対する税金が自動的になくなるわけではありません。購入前の資金計画では毎年の支出として見積もります。
原則として毎年1月1日の所有者が、その年度の納税義務を負います。年の途中で売っても、税法上の納税義務者が月ごとに交代する制度ではありません。売買契約で当事者が税負担を日割り精算することは、自治体に対する納税義務とは別です。
固定資産税の標準税率は1.4%です。都市計画税は、原則として市街化区域の土地・家屋に課され、都市計画事業等の費用に充てる目的税です。償却資産は対象外で、制限税率は0.3%です。実際の税率や地方独自の軽減は自治体ごとに確認します。
住宅ローン控除は別の税額控除
住宅ローン控除は家を買うと自動適用されるわけではありません。入居年、居住要件、面積、借入条件、住宅性能等をそろえて判断します。制度改正が多いため、本ページでは変動する借入限度額を固定せず、適用年の国税庁資料を確認します。
- 取得時 → 不動産取得税・登録免許税・印紙税など
- 保有中 → 固定資産税・都市計画税など
- 譲渡時 → 土地・建物の譲渡所得に対する税を確認
図は理解用の整理です。適用要件や最新の数値は本文と一次情報で確認してください。
03 住宅ローン控除の条件
取得時には不動産取得税・登録免許税・印紙税と消費税の対象を分け、保有中は固定資産税・都市計画税を確認します。住宅ローン控除は借入額だけでなく入居年と住宅等の要件を調べます。
04 例題で確認する
正解を選んだあと、全選択肢の理由まで確認しましょう。このページの回答履歴は保存しません。
問1
不動産取得税について、原則として正しい説明はどれですか。
正解:贈与で土地を受け取ると対象になり得るが、相続による取得は非課税である。
- A:無償でも贈与は原則課税対象です。相続の非課税と分けます。
- B:登記の有無だけで課税対象を決める制度ではありません。
- C:無償であることだけを理由に、贈与を相続と同じに扱えません。
問2
2026年に相続した土地の所有権移転登記をします。課税標準となる価額は900万円で、免税措置等は適用されません。原則の税率0.4%による登録免許税はいくらですか。
正解:3万6,000円
- A:不動産取得税の相続非課税と、登録免許税を混同しています。
- B:1.5%という土地売買の税率で計算しています。
- C:900万円×0.4%=3万6,000円です。
問3
課税事業者である不動産会社が、事業として土地と住宅用建物を売ります。消費税の扱いとして適切なのはどれですか。
正解:土地は非課税、建物は課税対象となる。
- A:住宅の貸付けの非課税を、建物の売却まで広げています。
- B:土地の譲渡の非課税と、事業としての建物売却を分けた説明です。
- C:土地の譲渡は非課税で、建物も中古というだけで対象外にはなりません。
問4
Aさんは2026年1月1日に土地を所有し、同年10月にBさんへ売りました。2026年度の固定資産税について、税法上の原則として適切なのはどれですか。
正解:原則としてAさんが納税義務を負い、当事者の費用精算は別に取り決める。
- A:年度末ではなく1月1日の所有を基準にします。
- B:賦課期日の所有者と、契約での精算を分けています。
- C:税法上の納税義務を月割りで交代させる制度ではありません。
05 要点をまとめる
- 不動産取得税と登録免許税は別の税。
- 土地の譲渡・貸付と建物等の消費税は扱いが違う。
- 保有中は固定資産税等が毎年関わる。