01 将来の約束と権利はどう違う?
来春使う学費と、20年後に使うお金では、価格下落を待てる時間が違います。投資の目的・期間・損失を受け止められる範囲を決めてから組合せを考えます。
分散投資は損失をなくす魔法ではありません。値動きの異なる資産を組み合わせ、特定の資産に偏るリスクを抑える考え方です。

02 派生商品と分散投資
先物とオプションは約束と権利が違う
先物は将来の一定時点に、あらかじめ決めた条件で売買する取引です。価格変動への備えに使えますが、予想と逆に動けば損失も生じます。
オプションの買い手は、一定の条件で買う・売る権利を得ます。権利を使わない選択ができますが、その権利を得るための代金(プレミアム)が必要です。売り手の義務と混同しないでください。
スワップと組合せの目的を分ける
スワップは、金利などの条件に基づくキャッシュフローを交換する仕組みです。FP3級では複雑な評価式より、何の変動を調整するかを理解します。
株式、債券、預金などを組み合わせるときは、期待収益だけでなく値動きと相関を見ます。分けて持っても同じ原因で同時に下がる可能性は残ります。
03 使う目的とリスクの見分け方
最初に「将来の売買を約束する」「権利を買う」「条件に基づく支払を交換する」のどれかを見分けます。分散の問題では、各資産の割合を合計100%にそろえます。
期待収益率の単純な加重平均は、各資産の配分割合と期待収益率を掛けて合計します。例:Aを40%・期待収益率3%、Bを60%・期待収益率1%とすると、0.4×3%+0.6×1%=1.8%です。これは将来の収益保証ではありません。
04 例題で確認する
正解を選んだあと、全選択肢の理由まで確認しましょう。このページの回答履歴は保存しません。
問1
A資産の配分40%・期待収益率3%、B資産の配分60%・期待収益率1%である。単純な加重平均による期待収益率として適切なものはどれか。
| 見分ける点 | 仕組み・条件 | 確認すること |
|---|---|---|
| 目的 | 使う時期と許容できる損失により、必要な流動性と値動きの受け止め方が変わる。 | 期待収益だけで組合せを決めない。 |
| 分散 | 値動きが完全に同じでない資産を組み合わせることが、値動きの偏りを抑える考え方になる。 | 分散しても損失がなくなるわけではない。 |
| 相関 | 同じ方向に動く度合いを確認して、組合せの効果を考える。 | 銘柄数だけで分散効果を判断しない。 |
| 見直し | 資産配分は、目標・期間・生活変化・価格変動により点検する。 | 短期の値動きだけで頻繁に入れ替えない。 |
法令基準日:2026年4月1日。個別の数字や手続は、対象年・施行日・経過措置を一次情報で確認します。
正解:1.8%
- A:0.4×3%+0.6×1%=1.8%である。
- B:2.2%は配分と収益率の掛け合わせを誤っている。
- C:4.0%は各資産の収益率を単純に足した値である。
問2
3か月後に使う原材料の価格が上がることを心配し、将来の売買条件を今決める取引を検討している。基本的な仕組みとして最も近いものはどれか。
正解:先物取引
- A:先物は将来の一定時点の売買条件を現時点で決める取引で、価格変動への備えにも使う。
- B:預金保険は金融機関破綻時の預金保護に関わり、将来の売買条件を決めない。
- C:分配金は投資信託の財産から支払われるもので、売買条件の固定ではない。
問3
ある価格で買う権利を得るために代金を支払った人について、基本的な説明として適切なのはどれか。
正解:権利を使うか選べるが、支払った代金は権利の取得費用となる
- A:買い手が得るのは権利であり、行使の義務ではない。
- B:オプションの買い手は権利を使うか選べる。プレミアムは権利を得るための支払である。
- C:行使された場合に応じる義務を負うのは原則として売り手側である。
05 要点をまとめる
- 先物は将来の売買条件を決める。
- オプションの買い手は権利を得て、売り手は行使時の義務を負う。
- スワップは条件に基づく支払の交換。
- 分散は損失を保証しない。