01 運用益にはどんな制度が関係する?
同じ10万円の利益でも、預金利息か、株式の配当か、売却益かで税の考え方が変わります。まず利益の種類と口座を確認してください。
価格が下がったときの損失と、預けた金融機関が破綻したときの保護も別の話です。制度の名前だけで「元本保証」と考えないようにします。
02 金融商品と税・NISA・保護制度
利益と口座で税を分ける
利子、配当、譲渡益は、商品や口座の区分によって課税方法が違います。特定口座の源泉徴収や確定申告、損益通算の可否を一律に扱わず、設問の条件を先に読みます。
売却益は売却額そのものではなく取得費や手数料等を考慮した差額です。税引後の金額を比較するときは、どの利益に税がかかるかを確認します。
NISAの年間枠と保有総額を分ける
2026年4月1日の試験法令基準では、成人向けNISAの年間投資枠はつみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円で、併用できます。生涯の非課税保有限度額は合計1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円が上限です。利用年の1月1日に18歳以上など、対象者と商品要件を確認してください。
非課税の対象は制度で定めた投資商品からの利益です。預金利息まで非課税になるわけではありません。売却した分の簿価に対応する総枠の再利用は翌年以降で、同年の年間投資枠が直ちに戻ることとは違います。
保護制度と販売ルールは別に確認
預金保険と投資者保護基金、保険契約者保護機構は、それぞれ対象と保護目的が違います。市場価格の下落を埋める制度ではありません。
金融商品の勧誘ではリスク・費用の説明や顧客の意向への配慮が必要です。学習用の比較を特定商品の購入推奨として受け取らず、商品の資料と契約条件を確認してください。
- 年間:つみたて投資枠120万円 + 成長投資枠240万円
- 非課税保有限度額:合計1,800万円
- 成長投資枠の内数上限:1,200万円
図は理解用の整理です。適用要件や最新の数値は本文と一次情報で確認してください。
03 課税と非課税の条件を読む
利益の種類→口座→課税・非課税の対象→販売や保護のルールの順に確認します。NISAでは「年間」と「保有総額」、「制度全体」と「成長投資枠の内数」を別の欄に書きます。
04 例題で確認する
正解を選んだあと、全選択肢の理由まで確認しましょう。このページの回答履歴は保存しません。
問1
2026年4月1日を法令基準とする成人のNISAについて、つみたて投資枠でその年に120万円を買い付け、成長投資枠ではまだ買い付けていない。この年の成長投資枠と、制度全体の非課税保有限度額の説明として適切なのはどれか。
正解:成長投資枠の年間240万円は別に利用でき、制度全体の非課税保有限度額は1,800万円である。
- A:二つの年間枠は併用できる。非課税保有限度額1,800万円は年間枠ではなく生涯の総枠である。
- B:つみたて投資枠の使用だけで成長投資枠の年間240万円が消えるわけではない。
- C:1,800万円は毎年の買付上限ではない。年間枠と非課税保有限度額を区別する。
問2
株式を課税口座で売って利益が出た。受取額を考えるときに最初に分けるべきものはどれか。
正解:売却益の額と、口座・申告方法に応じた税の扱い
- A:利益の種類、口座の区分、源泉徴収・申告方法を確認して税引後を考える。
- B:口座や課税方法によって扱いが変わる。費用も無視できない。
- C:譲渡益には売却額と取得費等の差が関係する。
問3
銀行預金と上場株式を持っている。元本割れに備える制度について、適切な説明はどれか。
正解:預金保険等の対象と保護範囲は商品・金融機関ごとに確認し、市場価格の下落補償とは区別する
- A:預金保険は株式の市場損失を補償しない。
- B:保護制度は対象や目的が異なり、市場価格の変動による損失とは別である。
- C:投資者保護基金は預金利息の保証制度ではない。
問4
金融商品を勧める場面で、商品の仕組みと損失の可能性を説明したうえで、顧客の目的や経験にも照らす理由として最も適切なのはどれか。
正解:リスクの説明と顧客の意向・経験に合うかの確認が必要なため
- A:顧客の状況を無視して同じ商品を勧めるルールではない。
- B:販売時の説明と顧客の知識・経験・目的への配慮を区別して確認する。
- C:書面交付だけで顧客の意向や適合性の確認が不要になるわけではない。
05 要点をまとめる
- 金融商品の税は利益の種類と口座で判断する。
- NISAの年間枠と非課税保有限度額は別。
- 保護制度は市場価格の下落を補償しない。
- 勧誘の説明と適合性を資料で確かめる。