01 債券と株式は何が違う?
同じ「投資」でも、債券を持つ人と株式を持つ人の権利は違います。債券は借入れに対する利子と償還の約束、株式は会社への出資です。商品の仕組みを先に押さえると、値動きの理由を考えやすくなります。
額面、購入価格、株価、利益、配当はそれぞれ違う数字です。試験では似た数字を式へ入れる前に、何を求めるか確認します。
02 価格・利回り・株式指標
債券の価格と利回り
固定利付債券の既発債は、市場金利が上がると価格が下がり、金利が下がると価格が上がるのが基本です。信用不安による価格変動とは原因が違います。利子と満期時の償還額のほか、途中売却価格も収益に影響します。
利回りは期間当たりの収益を投資額で割った割合です。購入価格と額面が異なれば、利子だけを購入価格で割って終わりにはできません。手取りの収益を問われたら税・費用の条件も確かめます。
株式の権利と注文
株主は会社への出資者で、配当や議決権などは株式の種類と保有条件で確認します。市場で売買するときは、価格を指定する指値と、価格を指定しない成行の違いを理解します。希望価格で必ず約定するとは限りません。
株価は会社の業績だけでなく、金利、市場心理などにも動かされます。配当を受け取っても株価の下落を合わせれば損失になることがあります。
株式指標の分母を読む
PERは株価を1株当たり利益で、PBRは株価を1株当たり純資産で比べます。配当利回りは1株当たり配当金を株価で割ります。同じ「何倍・何%」でも分母が違います。
ROEは自己資本に対する当期純利益、配当性向は利益のうち配当に回した割合を見る指標です。一つの比率が高いだけで投資判断を完成させず、利益の継続性や財務も確認します。
- 市場金利が上がる
- 既発固定利付債の相対的な魅力が下がる
- 債券価格は基本的に下がる
図は理解用の整理です。適用要件や最新の数値は本文と一次情報で確認してください。
03 式に入れる数字の選び方
債券は「額面・購入価格・利子・残存期間」を表にし、株式指標は「株価を何と比べるか」を式に書きます。市場金利と既発債の価格は逆方向という基本図を起点に、信用リスクは別に考えます。
04 例題で確認する
正解を選んだあと、全選択肢の理由まで確認しましょう。このページの回答履歴は保存しません。
問1
額面200万円、表面利率年1.5%の固定利付債券を198万円で購入しました。税引前の1年分の利子はいくらですか。
正解:30,000円
- A:購入価格に利率を掛けています。利子の基礎は額面です。
- B:2,000,000円×0.015=30,000円です。
- C:購入価格と額面の差であり、年利子ではありません。
問2
債券の直接利回りは、年利子のほかに満期までの償還差益を必ず年割りして含める。
正解:誤り
- A:直接利回りに償還差損益は含めません。
- B:年利子÷購入価格×100が直接利回りです。
問3
株価2,400円、1株当たり利益160円の会社のPERはいくらですか。
正解:15倍
- A:分子と分母を逆にして100を掛けた値に近く、PERの式ではありません。
- B:2,400÷160=15倍です。
- C:倍を求める計算に、不要な100を掛けています。
問4
株価1,600円、1株当たり年間配当48円の配当利回りは何%ですか。
正解:3%
- A:48÷1,600×100=3%です。
- B:割合の小数点の位置を誤っています。
- C:株価を配当で割る逆の計算に近い値です。
05 要点をまとめる
- 債券と株式では権利の性質が違う。
- 既発の固定利付債券価格と市場金利は基本的に逆方向。
- 利回りは利子以外の価格差も条件に応じて含める。
- PER・PBR・配当利回りの分母を区別する。