01 前年の所得をいつ課税する?
同じ所得についての税でも、国税の所得税と地方税の個人住民税では課税する時期や計算の項目が異なります。確定申告の数字をそのまま住民税額として受け取らないことが入口です。
02 住民税と税務手続
国の税と、地方の税
国に納める税は国税、地方公共団体に納める税は地方税です。所得税、法人税、相続税、贈与税、国の消費税などは国税です。住民税、事業税、固定資産税、不動産取得税などは地方税です。地方税は、道府県税と市町村税などに分けられます。納付書や説明にある税目を確かめれば、調べる窓口も選びやすくなります。
例えば、不動産を相続したときの相続税と、保有中の固定資産税は別の税です。前者は国税、後者は地方税であり、同じ家に関係していても分類は違います。また、日常「消費税」と呼ぶ負担には、国の消費税と地方消費税があります。関連する名前が似ていても、国・地方の分類を一括りにしません。
納める義務のある人と、負担する人
直接税は、納税義務者と税を負担する人が同じという分類です。所得税や固定資産税などが代表例です。間接税は両者が異なる税で、消費税や酒税などが代表例です。消費税は、消費者等が価格を通じて負担し、事業者が申告・納付する仕組みとして理解します。
会社が給与から所得税を差し引いて納める源泉徴収は、税の集め方に関する制度です。会社が送金するからといって、従業員の所得税が間接税へ変わるわけではありません。国税か地方税かと、直接税か間接税かは別の軸です。所得税は国税・直接税、固定資産税は地方税・直接税というように、二つの問いを順に考えましょう。
住民税は前年所得を基に翌年度
個人住民税は原則として前年の所得を基に翌年度に課税されます。所得割と均等割などで構成され、納め方には給与からの特別徴収や本人が納める普通徴収があります。所得税と控除の額や非課税基準が異なる場合があります。
個人事業税は対象となる事業を確認
個人事業税は都道府県税です。事業をしている人全員に一律の税率でかかるわけではなく、法定業種か、所得はどの程度か、事業主控除等を確認します。所得税の事業所得と対象範囲や計算が完全に同じではありません。
税制改正の年を読む
制度の改正情報を見つけたら、公布日、施行日、適用する年分を分けます。FP試験の法令基準日にまだ施行されていない改正を、原則としてその試験の答えに使いません。
03 税の種類と時点の整理
「誰が・何年分の所得について・どの自治体/国へ・いつ納めるか」の表を作り、住民税の通知は給与を受けた年とのずれを確認します。
04 例題で確認する
正解を選んだあと、全選択肢の理由まで確認しましょう。このページの回答履歴は保存しません。
問1
税金のルールを確認する姿勢として、適切なのはどれですか。
正解:法律等の根拠を確認し、特例なら対象条件と適用期限も確かめる
- A:租税法律主義により、課税は法律または法律の定める条件に基づきます。
- B:基本のルールと、特例を使うための条件を合わせて確認する対応です。
- C:特例にも根拠と適用条件があり、期間が限定される場合があります。
問2
2025年中の所得を基に課税される個人住民税は、原則として何年度の税として扱うか。
正解:2026年度
- A:個人住民税は通常、前年所得を基に翌年度に課税される。
- B:2025年の所得は原則として2026年度の個人住民税の計算に使う。
- C:2年度後に初めて課税されるという基本ルールではない。
問3
個人事業税がかかるかを判断するとき、事業所得の額のほかに確認すべきものはどれか。
正解:法定業種や事業主控除などの要件
- A:対象となる事業の区分、所得と控除を調べる。
- B:預金残高は個人事業税の対象判定を単独で決めない。
- C:会社の株価は個人事業税の課税要件ではない。
05 要点をまとめる
- 所得税は国税、個人住民税・個人事業税は地方税。
- 個人住民税は前年所得を基に翌年度に課税される。
- 個人事業税は法定業種・所得・控除を確認する。
- 改正の施行日と試験法令基準日を混同しない。