01 土地が広ければ建てられる?
住宅地で建てたい建物が決まっても、まず用途地域と道路の条件を見ます。そのうえで建てられる大きさを計算します。

02 道路・用途・建築面積の規制
市街化を進める区域と、抑える区域
都市計画区域は、一体の都市として整備・開発・保全を行う必要がある区域です。市街化区域と市街化調整区域に分ける区域区分を、線引きと呼びます。都市計画区域の全てが線引きされているわけではなく、区分のない非線引きの区域もあります。
市街化区域は既に市街地を形成している区域と、おおむね10年以内に優先的・計画的に市街化する区域です。市街化調整区域は市街化を抑制する区域で、住宅地として自由に開発できる区域ではありません。許可される行為もあるため、全ての建築が絶対禁止とも言い切りません。
建物の大きさを考える前に、用途を確かめる
カフェを建てたい土地に、希望する規模の店を建てられるとは限りません。用途地域は、住居・商業・工業などの土地利用の方向を定め、相互の環境を守る仕組みです。広さや階数を計算する前に、その建物の用途が認められるかを確認します。
都市計画図の色は利用の方向を示しますが、同じ色の名称だけで全ての条件を読み切れるわけではありません。建物の規模、併用部分、特別用途地区、地区計画等も関係します。ここでは一般的な用途地域の仕組みを学びます。
4mの道路幅と、2mの接する長さ
建築基準法上の道路は原則幅員4m以上です。指定区域で6mとされる場合等もあります。建物の敷地は、その法上の道路に原則2m以上接する必要があります。4mは道の横幅、2mは敷地が道路に接する長さで、別の数字です。
例えば道路幅が6mあっても、旗竿地の細い入口が道路に1.5mしか接していなければ、一般の2m接道の原則を満たしません。反対に入口が広くても、その道が法上の道路でなければ、それだけで建築できるとは言えません。
敷地面積に、適用される割合を掛ける
緩和等がない場合、建築面積の上限は敷地面積×指定建蔽率で求めます。例えば敷地180㎡、指定建蔽率60%なら、180×0.60=108㎡です。「60%」を60倍にせず、0.60として計算します。
敷地が200㎡でも、そのうち道路後退部分が5㎡なら、計算対象は195㎡です。指定建蔽率60%では195×0.60=117㎡となります。広告の土地面積ではなく、計算に使える敷地面積を先に確定します。
指定率と前面道路の率の小さい方
前面道路の幅が12m未満なら、指定容積率に加えて道路幅による上限を確認します。一般に住居系は幅のm数×0.4、その他は×0.6が基本ですが、特定行政庁の指定等による例外があります。問題では適用係数を確かめます。複数の前面道路では原則として最も広いものを用います。
例えば指定200%、幅4m、適用係数0.4なら道路の上限は4×0.4=1.6、つまり160%です。小さい160%を使い、敷地150㎡なら150×1.6=240㎡が算定対象の延べ面積の上限です。12m以上なら、この幅員による制限は適用されません。
自分で用途を変える4条、権利移動もある5条
農地を農地以外へ変えるのが転用です。自分の農地を自分で駐車場や宅地へ変えるなら4条、転用する目的で売買や貸借等も行うなら5条による許可を原則として確認します。許可権者は都道府県知事等で、農業委員会の3条許可とは区別します。
例えば自分の畑を自分の住宅敷地にするのは4条、買主が住宅敷地にする目的で畑を売るのは5条です。農地を守る地域区分や事業の実現可能性等で判断されるので、申請すれば常に許可されるとは限りません。
マンションは専有部分と共用部分を分ける
区分所有では一室の権利だけでなく、共用部分や敷地利用権、管理組合の決議も関わります。改修・建替えの要件は行為の種類と適用時点で変わるため、過去の人数要件を無条件に当てはめません。
- 建ぺい率:建築面積 ÷ 敷地面積 × 100
- 容積率:延べ面積 ÷ 敷地面積 × 100
- 用途地域や前面道路による上限も別に確認
図は理解用の整理です。適用要件や最新の数値は本文と一次情報で確認してください。
03 敷地と建物の数字の確認順
敷地面積を基準に、建築面積を比べるのが建蔽率、延べ面積を比べるのが容積率です。容積率では指定率だけでなく前面道路による制限を確認します。道路の種類・接道長さ・後退の要否を先に読みます。
04 例題で確認する
正解を選んだあと、全選択肢の理由まで確認しましょう。このページの回答履歴は保存しません。
問1
長く使っていない自分の土地で、管理不足により周辺へ危険が及びそうです。土地基本法の考え方に沿う説明はどれですか。
正解:公共の福祉を優先し、所有者等も適切な管理に努める。
- A:土地の公共性と所有者等の責務を無視しています。
- B:使っていない土地でも、適切な管理が必要という基本理念に対応します。
- C:基本理念と、個別法による許可は別です。
問2
一般の接道義務を確認します。幅6mの建築基準法上の道路に、敷地の入口が1.5mだけ接しています。例外や付加制限がない場合、適切なのはどれですか。
正解:原則2m以上接する条件を満たしていない。
- A:道路の幅と敷地の接する長さは別の条件です。
- B:1.5mは原則の2mより短い長さです。
- C:接道は面積比率の計算ではありません。
問3
土地の面積220㎡のうち、セットバック部分10㎡は敷地面積へ算入しません。指定建蔽率50%で緩和等はないとき、建築面積の上限はいくらですか。
正解:105㎡
- A:セットバック部分10㎡を除いていません。
- B:計算対象210㎡に50%を掛けて105㎡です。
- C:敷地面積と建築面積の上限を混同しています。
問4
算定用敷地面積120㎡、指定容積率300%、前面道路は1本で幅5m、適用係数は0.4です。特例はなく、容積率へ算入しない部分もないとき、延べ面積の上限はいくらですか。
正解:240㎡
- A:道路による上限は5×0.4=200%で、300%より小さいため120×2=240㎡です。
- B:指定300%だけを使い、道路による制限を無視しています。
- C:幅5mをそのまま倍率として掛けるものではありません。
問5
畑を農地のまま隣人へ貸し、隣人が耕作を続けます。農地法の原則的な手続はどれですか。法定の例外には当たりません。
正解:3条の農業委員会の許可を確認する。
- A:農地のままの賃借権設定等も、3条の対象です。
- B:農地以外へ用途を変えていません。
- C:貸借等の権利設定も許可の対象になります。
05 要点をまとめる
- 用途、道路、面積制限は別のチェック。
- 建蔽率は建築面積/敷地面積。
- 容積率は延べ面積/敷地面積で、道路制限も確認。
- 農地やマンションには別の手続・決議がある。