ベテランの「こつ」を、みんなの知恵へ
暗黙知と形式知の行き来を、コーヒーの淹れ方で学ぼう。
- 体験の共有による共同化と、言語化する表出化を区別できる。
- 既に形になった知識を組み合わせる連結化を選べる。
- 手順の実践から技能を体得する内面化を選べる。
点線のことばを押すと、意味と使い方を調べられます。
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このページの目次 4節・復習と4問
- 1説明を読む
- 2復習する
- 3問題を解く
- 4次へ進む
1知識を、一人だけのものにしない
カフェの先輩だけがおいしく淹れられると、先輩が休みの日は味が変わってしまいます。経験から得た知識を共有し、組織で活用したり新しい知識を生んだりする取組を、ナレッジマネジメントといいます。ナレッジは知識という意味です。
「このくらいの注ぎ方」という手の感覚は暗黙知、湯量や手順を書いたレシピは形式知の例です。暗黙知は秘密の情報という意味ではありません。また、資料を大量に保存するだけでなく、見つけ、使い、更新できることが大切です。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
先輩の「このくらい」って、文章だけだと分からないことがあるんだ。
経験の感覚に根ざす暗黙知だね。まず一緒に体験することが役立つ場合もあるよ。
2SECIの前半:体験を共有し、言葉にする
知識の変換を4つの動きで捉えるのが、SECI(Socialization・Externalization・Combination・Internalization)モデルです。日本語では、共同化・表出化・連結化・内面化といいます。
まず、体験から知識が伝わる場面と、その知識を説明できる形にする場面を区別しましょう。
同じ「教える」でも、何がどんな形の知識になったかを見ます。一緒に作業するだけでなく、経験を振り返って言葉にする時間を設けると、他の人にも共有しやすくなります。
「教えた」という動詞だけでなく、知識の形の変化を見る。
3SECIの後半:まとめて、実践で身につける
言葉や数値になった知識は、別の知識と組み合わせられます。そして、読んだだけでは難しかった作業も、実際に繰り返す中で自分の技能になることがあります。
- 連結化:形式知から形式知へ。既存のレシピ、温度の記録、お客さんの感想を整理し、新しい手順書にまとめる。
- 内面化:形式知から暗黙知へ。手順書を参考に淹れる練習を繰り返し、自分の感覚や技能として身につける。
内面化は、手順書を読む行為だけで必ず完了するものではありません。実践を通じて体得することがポイントです。身についた新しいこつを別の人と共有すれば、さらに知識が広がります。
読む・保存するだけでなく、実践と振り返りにつなげる。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
手順書を読めても、上手に淹れられるようになるには練習が必要だね。
そう。実践を通じて自分の技能として身につけるのが、内面化の例だよ。
4言葉の丸暗記より、変化の向きを見る
SECIでは「会議だから連結化」「動画だから表出化」のように、道具や場所の名前だけでは決まりません。もとの知識がどんな形で、活動の後にどんな知識になったかを読みます。
一つの研修や会議で複数の動きが起こることもあります。知識を共有するときは、更新日や確認した人を記録し、古い手順や誤った情報を広げないようにします。個人情報や社外に出せない情報の扱いも確認しましょう。
SECIモデルで、知識を育てる
ハルとビットで、使い方を確かめよう
動画を見た、だけではどの段階か決められないのか。
うん。動画という道具より、知識がどこからどんな形へ変わったかを読もう。
復習
このレッスンを振り返ろう
問題で確かめる
学んだことを問題で確かめよう
入門の確認問題4問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。
ヒントを見る
言葉になっていない感覚を、どのように受け取っていますか。
オリジナル入門問題 · シラバス 6.5
4問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。
出典・参考資料を確認する
学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目12。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。
学習範囲と参考資料
- IPA ITパスポート試験シラバス Ver.6.5(項目11・12、印刷15〜16ページ) ↗
- 一橋大学ビジネススクール:野中郁次郎氏の研究とSECIモデル ↗
- 野中郁次郎・紺野登:The Concept of Ba(1998年論文) ↗
シラバスは学習範囲の根拠です。説明は各参考資料を基に当サイトが初学者向けに作成しています。2026年9月8日確認。学習用の例・会話・図解は当サイトの作成です。図の数値やお店の事例は架空で、実際の企業の実績を示すものではありません。