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1-11 · 業務分析・データ利活用3節・復習・2問

100人に聞けば、みんなの意見?

100人に聞いた結果を、お客さん全体の意見と考えてよいか確かめましょう。

このパートで確かめること
  • 人数の多さと、対象の選び方の偏りを区別できる。
  • 正しい帰無仮説を棄却する誤りを区別できる。
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説明 1 / 3
このページの目次 3節・復習と2問
  1. 1説明を読む
  2. 2復習する
  3. 3問題を解く
  4. 4次へ進む

1一部から全体を考える

全営業時間のお客さんを知りたいなら、その全体が母集団で、実際に調べる一部が標本です。対象すべてを調べるのは全数調査、一部を選んで調べるのは標本調査といいます。

  • 名簿からくじを引くように、決めた人数のどの組合せも等しい確率で選ばれるようにする方法が単純無作為抽出です。
  • 年代や地域などのグループに分け、各グループから無作為に選ぶ方法は層化抽出(層別抽出)です。このグループを層と呼びます。無作為とは、調べる人の都合で選ばず、乱数やくじなどを使って選ぶことです。
  • まず地域を無作為に選び、次にその地域の世帯を無作為に選ぶなど、段階を踏んで抽出するのは多段抽出です。

調査の目的や使える名簿に応じて選び、どの人が調査の対象に入るかを確かめましょう。

「満足度90%」なら、誰を対象に、いつ、何人が答え、どのように尋ねたかを確認します。任意に答えた100人中90人が満足でも、全利用者の90%と直ちに言えるわけではありません。全数調査でも未回答や記録の誤りがなくなるとは限りません。

国勢調査は全数調査の代表例で、日本に普段住んでいる人と世帯の実態を調べ、外国人も対象に含みます。外交官等の対象外の定めもあり、「世界中の日本人を全員調べる」という意味ではありません。

知りたい全体と、調べた一部
母集団全曜日・全時間帯の来店者
標本平日昼に選んだ100人
抜けやすい人夜の来店者・放課後の学生

人数だけでなく、「誰が選ばれにくいか」を確かめる。

ハルとビットで、使い方を確かめよう

ハル

平日の昼に来た100人に聞いたら、学生はあまり来ない店だと分かったよ。

ビット

夜や休日のお客さんも知りたいなら、その100人だけで判断できるかな?

ハル

放課後に来る学生には聞けていないね。

ビット

知りたい全体を母集団、実際に調べる一部を標本というよ。一部の人から、全体の様子を考えるんだ。

参考:総務省統計局:国勢調査の概要 ↗

2偏りを見抜く

調べる人数が多くても、選び方や聞き方が片寄っていれば、全体を正しく捉えられません。こうした偏りをバイアスといいます。平日の昼に来た人だけを選ぶなど、対象の選び方によるものは選択バイアスです。答えを誘導する聞き方や、測定器のずれなど、情報の得方によるものは情報バイアスです。

思い込みで自分に都合のよい記録だけを見るような、人の判断の偏りは認知バイアスといいます。自分の予想に合わない結果も確かめ、仕事についての知識や現場での確認と組み合わせましょう。同じ偏った方法で人数だけ増やしても、問題が消えるとは限りません。

繰り返した結果の散らばりの小ささと、結果の平均が基準からずれる偏りは、分けて考えます。同じ重さを何回測っても似た値になるのに、いつも5g重く出るなら、ばらつきは小さくても偏りがあります。「精度がよい」という言葉だけで安心せず、何の正確さを指すかを確かめましょう。

同じ100gを3回ずつ測るAB9095100105110g
Aはばらつきが小さく、平均は105g。Bはばらつきが大きく、平均は100gです。この3回だけで測定器の性質を断定するための図ではありません。
図の数値を文字で確認

基準100gのものを3回ずつ量る架空例。Aは104,105,106gで平均105g。Bは95,100,105gで平均100g。Aはまとまっているが平均が基準より5g大きい。

参考:NIST:測定の偏りと正確さ(英語) ↗

ハルとビットで、使い方を確かめよう

ハル

じゃあ、昼にもっと大勢に聞けばいい?

ビット

同じ時間だけで集めれば、夜しか来ない人は抜けたままだね。人数と、誰をどう選んだかは別々に確かめよう。

3「差がある」をどう判断する?

新しい受付で待ち時間が短くなっても、たまたま空いていただけかもしれません。偶然のばらつきで説明しにくい差かを調べる方法が統計的検定です。まず「新旧で差がない」など、検討の出発点となる帰無仮説を置きます。その仮説や前提の下で、実際に出た差以上に極端な結果がどれほど起こりにくいかを調べます。

仮説を退ける判断を棄却といい、正しい帰無仮説を誤って棄却する第一種の誤り確率の上限として、有意水準を事前に設定します。基準に従って棄却する場合を統計的に有意といいますが、差が実用上大きいとは限りません。棄却できなくても「差がない」と証明したことにはなりません。

実際は帰無仮説が誤っているのに棄却できないことを、第二種の誤りといいます。新旧の待ち時間に差があっても、調べた結果から差を見つけられない場合です。「棄却できない」を「同じだと証明できた」に言い換えないことが大切です。

「差がない」という帰無仮説を考える
検定の判断実際は差がない実際は差がある
棄却する第一種の誤り誤りではない
棄却できない誤りではない第二種の誤り

実際の状態と、データからの判断を分けた整理です。検定は実際の状態を必ず言い当てる手続ではありません。

ハルとビットで、使い方を確かめよう

ハル

たくさん聞くだけでは、みんなの意見に近づくとは限らないんだ。

ビット

そう。選び方や聞き方を考え、結果に差が出たときも、偶然で説明できる範囲かを調べる方法があるよ。

2

復習

このレッスンを振り返ろう

平日昼の人だけへ何千人も聞けば、全来店者の意見になりますか。

答え方と、確認するポイント

夜や休日しか来ない人は選ばれにくいままです。知りたい母集団に対して誰をどう選んだかを確かめ、人数を増やすこととは別に偏りを考えます。

「差がない」が本当なのに検定で退けた場合、何を間違えたことになりますか。

答え方と、確認するポイント

正しい帰無仮説を棄却する第一種の誤りです。反対に、実際には差があるのに棄却できないのが第二種の誤りです。棄却できない結果を同じだという証明にしません。

3

問題で確かめる

学んだことを問題で確かめよう

入門の確認問題2問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。

オリジナル問題1 / 2問
全来店者の意見を知るため、平日の昼に来た人だけを何千人も調べた。適切な説明はどれか。
ヒントを見る

誰が調査対象に入らないかを考える。

オリジナル入門問題 · シラバス 6.5

2問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。

自作解説 · 2026.09.15 確認
出典・参考資料を確認する

学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目2。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。

3問 / 操作体験

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