売上以外も見て、お店の価値を育てる
BSCの4つの視点と、機能・費用から考えるVEを学ぼう。
- 育成と仕事の流れの指標を、財務・顧客の指標から区別できる。
- 四視点の指標を戦略へ結び付け、効果を確かめる使い方を選べる。
点線のことばを押すと、意味と使い方を調べられます。
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このページの目次 2節・復習と3問
- 1説明を読む
- 2復習する
- 3問題を解く
- 4次へ進む
1今月の利益だけでは、将来の強さが見えない
今月はカフェの利益が増えたとしても、研修をやめたために接客の失敗が増え、お客さんが離れ始めていたらどうでしょう。今の数字だけでは、今後も選ばれる店かどうかを判断しきれません。BSC(Balanced Scorecard:バランススコアカード)は、戦略を具体的な目標や指標へ結び付け、代表的な4つの視点で業績を捉える考え方です。
- 財務:お金の面で成果が出ているか。
- 顧客:利用者からどのように評価されているか。
- 内部ビジネスプロセス:仕事の進め方は良いか。
- 学習と成長:人や組織の力を育てられているか。
業績とは、事業で生まれた成果のことです。視点を増やすことで、財務の結果を生み出す活動にも目を向けます。
指標は例。戦略に合わせて選ぶ。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
利益が出たら全部うまくいった、とは言い切れないんだね。
うん。お客さんの評価や、これから良い仕事を続ける力も見てみよう。
24つの視点を、目指す戦略に結び付ける
「安心して短い休憩を過ごせるカフェ」という戦略なら、従業員が注文を正確に覚えられるよう学び、仕事の流れを整え、待ち時間や注文間違いを減らすことが、お客さんの満足と再来店につながると考えられます。
これらのつながりは、戦略について立てた仮説です。測定して確かめ、必要なら見直します。4項目を同じ重みで平均すれば必ず正しく評価できる、という決まりではありません。戦略に合う目標・指標・取組を選ぶことが大切です。
矢印は効果を確かめる仮説。研修だけで利益が必ず増えるとは限らない。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
研修を何回したかだけでなく、仕事に生かせたかも見たいな。
そう。学びが仕事の改善につながったかを、別の視点の指標と一緒に確かめよう。
3VEは「何のための働きか」から考える
テイクアウトの袋を安くしても、底が抜けて商品を運べなければ困ります。ここでいう機能とは「商品を安全に運ぶ」など、その物やサービスが果たす働きです。VE(Value Engineering:バリューエンジニアリング)は、必要な機能と、それを実現するためのコストとの関係から、価値を高める手法です。
- 必要な機能を保ち、材料や作り方を変えてコストを下げる。
- 同じコストで、必要な働きをより良くする。
考え方は「価値=機能÷コスト」と表します。価格の安さだけを見る式ではありません。袋なら、強度や持ちやすさなど、利用者に必要な機能を確かめてから代案を比べます。安全や必要な性能を失う変更を、ただ安いという理由で良い改善とは判断しません。
| 案 | 必要な働き | コスト |
|---|---|---|
| 現在 | 商品を安全に運べる | 現在の水準 |
| 改善候補 | 同じ強さで安全に運べる | 材料の無駄を減らす |
| 安さだけの変更 | 破れやすく安全に運べない | 安くなる |
機能とコストを併せて比較する学習用の例。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
袋が安くなっても、運んでいる途中で破れたら困るね。
必要な機能を確かめるのが出発点だよ。同じ働きを別の材料や形で実現できないか考えるんだ。
4BSCとVEは、確かめたいことが違う
BSCは戦略を進めるため、会社や事業の成果とそれを支える活動を複数の視点で確かめます。VEは製品やサービス、仕事の方法について、必要な機能をどう実現すると価値が高くなるかを検討します。
例えばBSCで「持ち帰りへの満足を高めたい」と決め、その取組の一つとして袋のVEを進めることもできます。道具の名前から当てはめるのではなく、何を判断し、何を改善したい場面かを先に読みましょう。
両方を目的に合わせて組み合わせることもできる。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
お店全体を見る道具と、袋の働きを見直す道具で役割が違うんだね。
その通り。何を良くしたい場面かを読むと、選びやすくなるよ。
復習
このパートを振り返ろう
注文技能の習得と、注文間違いの割合は同じ視点ですか。
答え方と、確認するポイント
技能は学習と成長、仕事の誤りは内部ビジネスプロセスの視点です。成果と、それを支える能力や活動を分けて考えます。
研修を増やせば、必ず利益が増えると決めてよいですか。
答え方と、確認するポイント
指標間のつながりは仮説です。戦略に合う指標を選び、測定して見直します。四項目を同じ重みで平均する決まりでもありません。
問題で確かめる
実際の問題に挑戦しよう
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)公開過去問1問、入門の確認問題2問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。
ヒントを見る
将来の良い仕事を支える力に注目しよう。
オリジナル入門問題 · シラバス 6.5
公開問題・原図の著作権はIPAにあります。表記・表の配置を整えています。解説は当サイト独自のものです。
3問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。
出典・参考資料を確認する
学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目11。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。
学習範囲と参考資料
- IPA ITパスポート試験シラバス Ver.6.5(項目11・12、印刷15〜16ページ) ↗
- Harvard Business School:Balanced Scorecard ↗
- Robert S. Kaplan:Conceptual Foundations of the Balanced Scorecard ↗
- 日本バリューエンジニアリング協会:VEとは ↗
シラバスは学習範囲の根拠です。説明は各参考資料を基に当サイトが初学者向けに作成しています。2026年9月8日確認。学習用の例・会話・図解は当サイトの作成です。図の数値やお店の事例は架空で、実際の企業の実績を示すものではありません。