買う前から買った後まで、困っていない?
購入記録と体験の両方を見て、便利さを改善しよう。
- 購入の最近・頻度・金額を区別できる。
- 利用から得る感じ方や反応を、見た目や効率だけと区別できる。
- 接点の流れを調べ、体験の改善点を探せる。
点線のことばを押すと、意味と使い方を調べられます。
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このページの目次 3節・復習と3問
- 1説明を読む
- 2復習する
- 3問題を解く
- 4次へ進む
1購入記録を、三つの面から見る
また使ってもらう方法を考えるには、合計金額だけでなく、最近の購入や回数も調べます。購入記録を次の三つで整理する方法がRFM(最終購買日・購買頻度・累計購買金額)分析です。
- R(Recency):最近いつ購入したか。基準日から最終購入日までの日数で見ることもあります。
- F(Frequency):決めた期間中に何回購入したか。
- M(Monetary):その期間中に合計いくら購入したか。
同じ合計1万円でも、昨日まで何度も買っていた人と、半年前に1回買った人では、今の関係が違うかもしれません。Mが同じでもRとFが違う、と読めます。
比較する期間と基準日はそろえます。購入記録だけで気持ちや将来の購入が決まるわけではないため、顧客の声や行動も合わせて考えましょう。
| 顧客(架空) | 最終購入からの日数 | 直近6か月の回数 | 直近6か月の合計 |
|---|---|---|---|
| Aさん | 1日 | 10回 | 10,000円 |
| Bさん | 150日 | 1回 | 10,000円 |
同じ合計金額でも最近の関係は違う。人数や将来の売上を表す実測統計ではない。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
同じ金額を買ってくれた人でも、同じ案内でよいとは限らないんだね。
そう。最近の購入や回数も見ると、関係の違いを考えられるよ。理由は記録だけで決め付けず、声も聞こう。
この説明に出てきた略語の正式名称
- RFM
- Recency / Frequency / Monetary
最終購買日・購買頻度・累計購買金額
2使ったときの体験と、関係全体の体験
UX(User Experience:ユーザー体験)は、製品やサービスの利用や利用の予想を通じて得る認識・反応などを指します。カフェの予約画面なら、迷わず選べる、受付できたと分かって安心する、といった体験です。
画面の見た目だけではありません。
CX(Customer Experience:顧客体験)は、店を知る、比較する、買う、受け取る、問い合わせるなど、企業やブランドとの接点全体を通じた体験です。UXとCXは重なりがある言葉ですが、この例では予約サービスの体験と、店舗との関係全体を比べています。
顧客満足も確認しますが、一度の満足度だけですべての体験は分かりません。
架空のカフェを使った学習用の例。
3カスタマージャーニーマップで場面を並べる
カスタマージャーニーマップは、顧客の行動や接点、考え・気持ち、困り事などを時間の流れに沿って可視化する図です。ジャーニーは旅という意味ですが、ここでは商品を知ってから利用した後までの道のりを表します。
例えば「店を知る→予約→来店→受取→感想」の場面ごとに、どこで何を見て、何に迷うかを書きます。店の想像だけで埋めず、観察や聞き取りから確かめます。全員が同じ順番で進むとは限らず、予約前に問い合わせる人や、途中でやめる人の流れもあります。
図は顧客を決め付けるためではなく、改善点を探すためのものです。
| 場面 | 顧客の行動 | 気持ち・困り事 |
|---|---|---|
| 店を知る | 案内を見る | 自分に合う? |
| 予約 | 商品と時刻を選ぶ | 受付できた? |
| 来店・受取 | 店頭で受け取る | どこに並ぶ? |
| 利用後 | 質問や感想を送る | 誰に聞けばよい? |
実際の行動・感情は調査で確認する。全員が同じ順に進むとは限らない。
4窓口が複数あるだけでなく、つながっているか
チャネルは、顧客と接する経路や窓口です。店舗、電話、サイト、アプリなどがあります。オムニチャネルは、複数のチャネルを連携させ、顧客が行き来しても一貫した体験を得られるようにする考え方です。
アプリで注文した内容が店でも分かり、受取を変更すると両方に反映される、といった例です。サイトと店舗が別々に存在するだけでは、連携しているとは言えません。便利さを高める一方、共有する顧客情報の利用目的や権限も確認します。
場所をまたいでも毎回同じ説明をやり直さなくて済むか、顧客の立場で確かめましょう。
- 1アプリで注文
商品と受取時刻を登録
- 2店舗で受取
同じ注文内容を確認
- 3電話で相談
必要な範囲で履歴を引継ぐ
ハルとビットで、使い方を確かめよう
アプリで頼んだのに、店で全部説明し直すのは大変だね。
その困り事を減らすのが、窓口をつなげる工夫だよ。どの情報を共有する必要があるかも考えよう。
5満足した理由を聞き、改善につなげる
顧客満足は、商品やサービスについて顧客が期待したことと、実際に受け取った価値や体験との関係から生じる満足です。「味は良いが、時間に間に合わなかった」なら、味だけの評価では利用体験を捉えきれません。
- 何を期待していたか:早く受け取りたい、静かに過ごしたいなど。
- 実際はどうだったか:待ち時間、品質、案内の分かりやすさなど。
- 次に何を改善するか:受付方法を変えるなど、具体的な行動にする。
架空の調査で、回答者40人中32人が満足と答えたなら、回答者に占める満足の割合は32÷40=80%です。しかし、回答しなかった人の評価は分かりません。「お客さん全員の80%が満足」と言い換えないようにします。満足度が高くても再来店の機会がない人もいるため、再来店率や売上と同じ指標ではありません。
顧客ロイヤルティは、その企業や商品を信頼し、継続して選びたいという関係の強さに関わる言葉です。満足、継続利用、推奨の気持ちなどを目的に応じて確認し、一つの数値だけで顧客の気持ちを決め付けません。
| 見分ける対象 | 意味・使う場面 |
|---|---|
| 回答者の満足の割合 | 32人÷40人=80% |
| この例で分からないこと | 未回答者の評価、満足した理由、次回の利用 |
| 改善の材料 | 理由の聞き取り+実際の待ち時間+再来店の記録 |
すべて架空の数値。分母は回答者40人であり全顧客ではない。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
満足が80%なら、また来る人も80%?
満足と再来店は別だよ。期待に応えられたかと、実際にまた利用したかをそれぞれ調べよう。
復習
このパートを振り返ろう
同じ購入金額なら、RFMの評価も必ず同じですか。
答え方と、確認するポイント
最近いつ買ったか、何回買ったかは異なる場合があります。基準日と期間をそろえて比べ、記録だけで気持ちを決め付けません。
UXは画面の美しさだけを指しますか。
答え方と、確認するポイント
利用を予想したり実際に使ったりして得る感じ方や反応を含みます。安心できたかなど、効率や見た目だけに限りません。
予約画面が便利でも、利用全体に困り事は残りますか。
答え方と、確認するポイント
来店や受取り、問合せで迷う場合があります。実際の行動や気持ちを接点ごとに調べ、時間の流れに整理します。
問題で確かめる
実際の問題に挑戦しよう
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)公開過去問1問、入門の確認問題2問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。
ヒントを見る
最近・回数・金額のどれかな。
オリジナル入門問題 · シラバス 6.5
公開問題・原図の著作権はIPAにあります。表記・表の配置を整えています。解説は当サイト独自のものです。
3問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。
出典・参考資料を確認する
学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目10。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。
学習範囲と参考資料
- IPA ITパスポート試験シラバス Ver.6.5 ↗
- IBM:RFM Analysis node ↗
- IBM:What Is Customer Experience? ↗
- IBM:What Is a Customer Journey Map? ↗
- IBM:What Is Omnichannel Customer Experience? ↗
- デジタル庁:本調査研究事業の実施状況報告(UX等の用語説明) ↗
シラバスは学習範囲の根拠です。説明は各参考資料を基に当サイトが初学者向けに作成しています。2026年9月8日確認。学習用の例・会話・図解は当サイトの作成です。図の数値やお店の事例は架空で、実際の企業の実績を示すものではありません。