売上が多ければ、もうかっている?
飲み物を売ったお金から何を引くと、もうけが分かるのか計算しましょう。
- 売上原価と販売費等を区別し、営業利益を求められる。
- 期末に残る在庫の評価額が売上原価へ与える影響を判断できる。
点線のことばを押すと、意味と使い方を調べられます。
表示・保存
このページの目次 4節・復習と3問
- 1説明を読む
- 2復習する
- 3問題を解く
- 4次へ進む
1まずは売上と利益を分ける
商品を売った金額の合計を売上高といいます。1個の販売価格が販売単価、売れた個数が販売数量で、売上高=販売単価×販売数量と計算します。1杯500円の飲み物を100杯売れば、500×100=50,000円です。しかし、店では材料代や、店員の給料などの人件費もかかります。
商品の販売などから得る収益から費用を差し引いたものが利益で、売上そのものではありません。費用の合計が40,000円なら、単純化したこの例の利益は10,000円です。逆に売上100万円に対して費用110万円なら10万円の赤字になります。
たくさん売れたことと、利益が残ったことは分けて考えましょう。
- 100杯を1杯500円で販売100 × 500 = 50,000円の売上
- 費用の合計が40,000円なら50,000 − 40,000 = 10,000円の利益
2どこまで引いた利益か
売った商品に対応する仕入れなどの金額を売上原価といいます。
- 売上高からこれを引いたものが売上総利益です。
- さらに、販売や会社の管理にかかる費用である販売費及び一般管理費を引くと、本業の成績を見る営業利益になります。
売上100万円、売上原価60万円なら売上総利益は40万円です。販売費・一般管理費が25万円なら、営業利益は15万円です。そこへ受取利息など本業以外の営業外収益を加え、支払利息などの営業外費用を引いたものが経常利益です。
同じ利益でも、どの収益・費用まで含むかが違います。問題文で求められる利益の種類を読みましょう。
− 売上原価 60万円
− 販売費・一般管理費 25万円
単純化した数値例。売上100万円が、そのまま利益になるわけではない。
3仕入れた分が、すべて売れたとは限らない
売上原価を求めるときは、売れずに残った商品を分けます。手元の商品を数えて金額を確かめる作業を棚卸しといい、期間の初めにある商品の金額を期首商品棚卸高、終わりに残る金額を期末商品棚卸高といいます。その期間に仕入れた金額は当期商品仕入高です。
商品を仕入れて売る単純な例では、売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高−期末商品棚卸高です。初めに10万円分あり、今期30万円分を仕入れ、最後に8万円分残れば、10+30−8=32万円となります。値下がりによる評価損などは省いた例で、残った在庫を売れた分に混ぜないことが大切です。
在庫の数量が同じでも、期末在庫の評価額が8万円から9万円へ1万円増えたとすると、ほかが同じなら売上原価は32万円から31万円へ減り、売上総利益は1万円増えます。これは式の関係を確かめる例で、利益に合わせて評価方法を自由に変えてよいという意味ではありません。
- 初めにあった商品期首棚卸高 10万円
- 今期に仕入れた商品+ 仕入高 30万円
- 最後に残った商品− 期末棚卸高 8万円
- 売れた分の原価= 売上原価 32万円
商品を仕入れて販売する、評価損等を省いた単純な例。残った在庫を売れた分へ混ぜない。
4利益の階段を、下から戻って計算する
経常利益に、固定資産売却益などの特別利益を足し、災害損失などの特別損失を引くと、税引前当期純利益になります。そこから法人税等を差し引いたものが当期純利益です。
下の例で販売費及び一般管理費が不明なら、売上総利益40万円から営業利益15万円を引いて25万円と逆算できます。下からたどるときは、引いた費用を足し戻し、足した収益を引き戻します。
5費用は量によってどう動く?
飲み物が100杯から200杯に増えると、材料は多く必要になります。一方、店の家賃は同じ契約ならすぐには増えません。このように一定の範囲で販売量などによらず発生する費用を固定費、数量に応じて変わる費用を変動費といいます。
家賃60,000円、材料が1杯200円という単純な例では、100杯の材料代は20,000円、200杯なら40,000円です。家賃と合わせた総費用はそれぞれ80,000円と100,000円になります。ただし、販売量が増えて別の店舗が必要になれば家賃も変わります。
実際の費用を分類するときは、契約や数量の範囲も確かめましょう。
6費用には、別の分け方もある
費用は、何の商品にかかったかという見方でも分類できます。特注ケーキの材料のように、特定の商品などへ直接結び付けられるものが直接費です。複数の商品に共通する工場の費用など、直接には一つに結び付けにくいものが間接費です。
間接費は、使用時間など一定の基準で商品へ振り分けます。この分類が見るのは費用と商品の結び付きで、固定費・変動費が見る数量による変化とは別の軸になります。たとえば共通で使う材料は、使用量に応じて増える一方、商品別には振り分けが必要な場合があります。
「直接費はすべて変動費」と決め付けず、分類の基準を確認しましょう。
直接・間接は「結び付け方」、固定・変動は「数量に対する変化」。分類の軸が違う。
7買った年の支払いと、毎年の費用を分ける
長く使う設備などの取得原価を、使える期間にわたって費用として配分することを減価償却といいます。購入時のお金の支払いと、各年の費用は一致するとは限りません。
毎年同じ額を配分する定額法で、取得原価60万円、使う期間を5年、最後に残る価値である残存価額を0円とする学習用の条件なら、年間の減価償却費は(60−0)÷5=12万円です。これは毎年12万円をもう一度支払う意味ではありません。
自社で設備を持つ方法と、提供事業者のソフトをネットワーク経由で使うASP(Application Service Provider)のサービスなどを比べるときは、同じ期間で費用をそろえます。初期費用だけでなく、月額料金・保守・運用など問題に含める条件を整理しましょう。
8誰のために発生した費用かを確かめる
製品を作る費用を分類するときは、支払先や作業名だけで決めず、どの製品の費用か直接分かるかを確認します。
特定の製品だけを検査し、その製品分の費用を直接把握できるなら直接費です。同じように、特定製品の加工を外部へ依頼し、その製品分と分かる外注加工費も直接費になり得ます。工場全体で使う設備の保守費のように、複数の製品に共通してかかる費用は間接費として、合理的な基準で振り分けます。
『検査だから間接費』『社外への支払いだから間接費』と決め付けてはいけません。問題文が、その費用を特定の製品へ直接対応させられる条件かを読みます。何にかかったかで分ける直接費・間接費と、数量による変化で分ける固定費・変動費は別の軸です。
分類は名称だけでなく、製品との対応関係という条件で決まる。
復習
このパートを振り返ろう
問題で確かめる
実際の問題に挑戦しよう
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)公開過去問2問、入門の確認問題1問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。
ヒントを見る
売上原価の次に、販売費・一般管理費も引く。
オリジナル入門問題 · シラバス 6.5
公開問題・原図の著作権はIPAにあります。表記・表の配置を整えています。解説は当サイト独自のものです。
3問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。
出典・参考資料を確認する
学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目3。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。