仕事をよくする、止めない工夫
待ち時間を減らす工夫と、急な故障や災害への備えを考えよう。
- 改善結果の評価と、その場の状況判断を区別できる。
- 重要業務の継続計画と、計画を維持する活動を説明できる。
点線のことばを押すと、意味と使い方を調べられます。
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このページの目次 3節・復習と4問
- 1説明を読む
- 2復習する
- 3問題を解く
- 4次へ進む
1結果を目標と比べ、次の改善につなげる
経営管理は、会社の目標に向けて人・物・お金・情報を使い、仕事の進み方や結果を確かめて調整する活動です。利益の数字だけでなく、次のものも管理します。
- 財務管理:支払いと回収を見通し、必要なお金を用意する。
- 資産管理:設備や備品の所在・状態を記録する。例えば電池の弱ったタブレットを見つけ、修理を決める。
- 人事管理:人を採用・配置・育成し、力を発揮できるようにする。
- 情報管理:情報を使える状態に保ち、守る。例えば価格表の保存先・更新担当・変更できる人を決め、古い版の使用を防ぐ。
改善を続ける手順の一つが、計画・実行・評価・改善を繰り返すPDCA(計画・実行・評価・改善)です。カフェの待ち時間を減らす場面で考えましょう。
- 計画(P):待ち時間を5分から3分にする目標と、新しい受付方法を決める。
- 実行(D):決めた方法を試す。
- 評価(C):実測4分を目標3分と比べ、差と原因を調べる。
- 改善(A):結果を基に、人の配置・設備・注文情報の流れを見直し、次の計画へつなげる。
4分と測っただけでは評価は終わりません。目標に届いたかを比べ、その結果から次に何を変えるか考えることが大切です。
- P計画Plan
待ち時間を5分から3分にする目標と、新しい受付方法を決める。
- D実行Do
新しい受付方法を、決めた条件で試す。
- C評価Check
実測は4分。目標の3分と比べ、差や原因を確かめる。
- A改善Act
手順を見直して、次の計画へつなぐ。
④の結果を受けて、①へ戻る
数値は架空の例。Checkは評価、Actは見直し・改善。実行しただけで終わらない。

ハルとビットで、使い方を確かめよう
お客さんの待ち時間が長いんだ。受付のやり方を変えたら、少しは短くなるかな。
まず目標と試す方法を決めよう。計画して、実行し、結果を評価して、改善する。この繰り返しをPDCAというよ。
やり方を変えて終わりじゃなくて、本当に短くなったか確かめるんだね。
例えば5分を3分にする目標で試し、実際は4分だったとする。目標との差や原因を確かめるのが評価。その結果を使って手順を直すのが改善だよ。
この説明に出てきた略語の正式名称
- PDCA
- Plan–Do–Check–Act
計画・実行・評価・改善
2状況が変わったら、確かめて判断し直す
急にレジが止まったら、今の状況を確かめて対応を考える必要があります。まず、故障の状態や待つ人数を観察します。次に、使える端末、スタッフ、店のルールなどを合わせて、何ができる状況かを捉えます。そのうえで別レジへ案内すると決め、実際に動きます。
この観察・状況判断・意思決定・行動を繰り返す考え方がOODA(観察・状況判断・意思決定・行動)です。状況判断は情報の意味を考える段階、意思決定は取る行動を選ぶ段階です。行動の結果も再び観察し、判断を更新します。PDCAとどちらか一方だけを選ぶ必要はなく、普段の改善と現場での判断に両方を使えます。
改善と判断を、同じ場面で比べよう
ハルとビットで、使い方を確かめよう
この説明に出てきた略語の正式名称
- OODA
- Observe–Orient–Decide–Act
観察・状況判断・意思決定・行動
3仕事を続ける計画を、使える状態に保つ
災害や大きな障害が起きても、特に大切な仕事を続けたり、早く再開したりするための計画がBCP(事業継続計画)です。
- 例えば「まず誰に連絡するか」「どの仕事を優先するか」「今の場所が使えないとき、どこで対応するか」を事前に決めます。
- ただし、計画を作った後に連絡先や設備が変わることもあります。実際に訓練して使えるかを確かめ、必要に応じて更新することが大切です。
計画の策定・訓練・見直しなどを続ける管理の活動をBCM(事業継続管理)と呼びます。データの予備を残すバックアップも備えの一つですが、それだけで人の連絡や代わりの作業場所まで確保できるわけではありません。
リスクアセスメントは、困る出来事を洗い出し、起こりやすさや影響などを分析・評価することです。停電で冷蔵庫が止まる、伝票が読めないなどの候補について、影響を調べ、優先して備える対象を決めます。点数を付けるだけで対策が自動的に決まるわけではありません。
- 1BCPを用意する
優先業務・代替拠点・連絡方法などを決める
- 2訓練して、確かめる
連絡が届くか、代替手段が使えるか確認
- 3見直して、更新する
人員や設備の変化を計画に反映
ハルとビットで、使い方を確かめよう
計画を書いておくだけでなくて、連絡が届くか、代わりの方法が使えるかも確かめたいね。
計画を作り、訓練し、変化に合わせて見直す管理の活動がBCMだよ。計画そのものと、それを使える状態に保つ活動を分けて考えよう。
この説明に出てきた略語の正式名称
- BCP
- Business Continuity Plan
事業継続計画 - BCM
- Business Continuity Management
事業継続管理
4選び方が違うと、選ぶ案も変わる
対策の案が複数あるときは、どの結果を重視して選ぶかも決めます。どの案を選ぶか迷ったら、状況ごとに得られる結果を表で比べます。各案で最も悪い結果を取り出し、その中で最もよい案を選ぶ方法がマキシミン原理です。図ではA案の最悪が−2万円、B案が1万円なので、B案を選びます。
一方、起こりやすさを数で表した確率を各結果に掛け、足し合わせた値が期待値です。需要が多い・少ない確率を各50%とすると、A案は10×0.5+(−2)×0.5=4万円、B案は6×0.5+1×0.5=3.5万円です。
期待値ではA案が上回ります。最悪に備えるか、平均的な結果を重視するかで、判断が変わると分かります。
7案を選ぶ値と、実際に得た値を分ける
マクシミン(マキシミンとも表記)は、利益など大きいほどよい値について、各案の最悪の結果を比べ、その中で最もよい案を選ぶ考え方です。下の架空の例では、A案の最悪は−2万円、B案は1万円なので、B案を選びます。
その後、実際に需要が多い状況になったなら、選んだB案の「需要が多い」の欄へ戻り、実際の利益は6万円と読みます。1万円は案を選ぶために比べた最悪値で、実際の利益とは限りません。需要が多いと分かった後で、選んでいなかったA案の10万円へ乗り換えて答えることもできません。
- 各案の行から最小値を取り出す。
- その最小値の中で最大になる案を選ぶ。
- 選んだ行と、実際に起きた状況の列の交点を読む。
問題が「選ぶ案」「最悪時の利益」「実際の利益」のどれを求めているかを、最後に確認します。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
最悪の1万円を比べてBを選んだら、必ず1万円になるの?
いいえ。実際に起きた状況が需要の多い方なら、Bのその欄にある6万円だよ。
5一部が半分になっても、全体は半分とは限らない
改善率は、何を全体の100%とするかを決めて計算します。全体の仕事が100時間、そのうち入力作業が60時間、確認などが40時間だったとします。入力作業だけを半分にできれば、減るのは60×0.5=30時間です。
改善後の全体は30+40=70時間。全体の削減率は(100−70)÷100×100=30%です。「一部の削減率50%」と「全体の削減率30%」を区別しましょう。
図の数値を文字で確認
改善前は入力60時間とその他40時間で100時間。改善後は入力30時間とその他40時間で70時間。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
半分になった作業があるのに、全体は半分にならないんだね。
そう。変わらない40時間も残るから、もとの全体100時間に対して減った30時間を比べるよ。
6件数の割合を、そのまま時間の割合にしない
問い合わせが100件あり、簡単な質問が80件、詳しい調査が必要な質問が20件だったとします。対応に使う時間を減らしたいなら、件数ではなく、各種類の合計時間を先に求めます。
- 簡単な質問:80件×1件3分=240分。
- 詳しい質問:20件×1件8分=160分。
- 合計:240+160=400分。簡単な質問は件数の80%ですが、時間では240÷400=60%です。
簡単な質問の1件当たりの時間だけが半分になるなら、240×0.5=120分減ります。改善後は120+160=280分で、全体の削減率は120÷400×100=30%です。件数や他の対応時間が変わらない学習用の条件です。
「種類別の件数×1件当たり時間→全体の時間→減る時間→全体に対する割合」の順で計算しましょう。最初から時間の構成比が与えられていれば、その割合に対象部分の短縮率を掛けられます。
| 種類 | 件数と時間 |
|---|---|
| 簡単な質問 | 80件×3分=240分(全体時間の60%) |
| 詳しい質問 | 20件×8分=160分(全体時間の40%) |
| 改善前→改善後 | 400分→280分。減った120分は全体の30% |
架空の例。件数の割合と、対応にかかる時間の割合は異なります。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
80件を速くできるなら、時間も80%分減るの?
まず1件に何分かかるかを掛けよう。今回は時間の60%を半分にするので、全体では30%減るよ。
復習
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学んだことを問題で確かめよう
入門の確認問題4問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。
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実施ではなく、結果を確かめている。
オリジナル入門問題 · シラバス 6.5
4問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。
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学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目1。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。