グラフは、伝えたいことから選ぶ
- 二つの数値の関係を調べる図を選べる。
- 多い項目を足し合わせた累積割合を読める。
- 表の一部に対する割合で、適切な分母を選べる。
- 切り詰めた縦軸の見た目によらず増加率を求められる。
点線のことばを押すと、意味と使い方を調べられます。
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このページの目次 4節・復習と4問
- 1説明を読む
- 2復習する
- 3問題を解く
- 4次へ進む
1グラフで、何が分かるの?
グラフは、数字の違いや変化を目でつかみやすくする図です。最初に「何を知りたいか」を決めると、図を選びやすくなります。
図を見るときは、何を調べたか、軸と単位、目盛りの順に確かめます。軸は値や分類を読む基準になる線、目盛りは値を読む区切りです。例えば販売数の60杯を、60円と読み違えないようにします。
下の4枚で、用途と読み方を一つずつ確かめましょう。「次へ」で進み、「まとめて見る」で並べて比べられます。棒グラフは商品の種類、ヒストグラムは0分以上2分未満などの数値の区間を横に並べる点が違います。
散布図で二つの数値に関係が見えても、一方がもう一方の原因とは、それだけでは決められません。
何を見るかを決め、軸から読もう
ハルとビットで、使い方を確かめよう
商品を比べる棒グラフと、待ち時間のヒストグラムは、どちらも棒だね。
横に何を並べたかが違うよ。商品名なら種類の比較、0分以上2分未満などの区間なら数値の広がりを見るんだ。
2多い項目が全体のどれくらいかを読む
問い合わせが、操作50件、支払い30件、配送15件、その他5件の計100件だったとします。件数の多い順に並べると、どの内容から調べるか考えやすくなります。
多い順の棒グラフに、左から順に足した割合の線を重ねたものがパレート図です。この順に足した割合を累積比率と呼びます。
- 操作まで:50÷100×100=50%。
- 支払いまで:(50+30)÷100×100=80%。
- 配送まで:(50+30+15)÷100×100=95%。
- その他まで:100÷100×100=100%。
棒の件数は左の目盛り、線の割合は右の目盛りで読みます。「上位2項目で80%」はこのデータの計算結果で、いつも上位2項目や上位20%が全体の80%になるわけではありません。
金額などの大きい順に項目を並べ、累積割合などを基に重要度の群を分けて管理する方法がABC分析(商品などを重要度に応じてA・B・Cに分類する分析)です。この例で「80%までA、次の95%までB、残りC」と決めるなら、操作と支払いがA、配送がB、その他がCです。境界には固定の共通ルールがあるわけではなく、目的や問題文の条件に合わせます。
図の数値を文字で確認
問い合わせ100件のパレート図。操作50件、支払30件、配送15件、他5件。線は左から足した割合。
3二つの分類を、表と色で比べる
時間帯と飲み物の種類のように、二つの分類を組み合わせて数えることをクロス集計といいます。その結果がクロス集計表で、分割表とも呼ばれます。横に並ぶまとまりが行、縦に並ぶまとまりが列、交わる一つのマスがセルです。
下の表で午後の冷たい飲み物を調べるなら、午後の行と冷たいの列が交わるマスを見ます。40という値は、40人ではなく40杯です。
割合では、どこまでを全体の100%とするかを先に決めます。午後の注文60杯のうち40杯なら、40÷60×100≒67%。1日全体100杯のうちなら、40÷100×100=40%です。同じ40杯でも分母が変わると割合も変わります。
値の大きさを色の濃さなどで示す表現がヒートマップです。忙しい時間帯などを見つけるのに役立ちます。ただし、色の意味や基準を確かめ、実際の数字も一緒に読みましょう。
| 時間帯 | 温かい | 冷たい | 合計 |
|---|---|---|---|
| 午前 | 30 | 10 | 40 |
| 午後 | 20 | 40 | 60 |
| 合計 | 50 | 50 | 100 |
「午後で、冷たい飲み物」は交わるマスの40杯。午後の注文だけなら40÷60×100≒67%。1日全体なら40÷100×100=40%です。割合を小数で求め、100を掛けると%になります。
| 時間帯 | 温かい | 冷たい | 合計 |
|---|---|---|---|
| 午前 | 30 | 10 | 40 |
| 午後 | 20 | 40 | 60 |
| 合計 | 50 | 50 | 100 |
濃いほど注文の杯数が多い。色は薄い順に10杯・20杯・30杯・40杯です。合計欄は色付けの対象外です。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
午後の冷たい飲み物は40杯。午後の注文の40%ということ?
午後の合計は60杯だから、40÷60で約67%。40%になるのは1日100杯を全体にしたときだよ。
4原因を調べる図と、見せ方の注意
待ち時間が長い理由を調べるときは、人員・手順・設備などの原因候補を整理します。結果と原因候補の関係を魚の骨のように表す図が、特性要因図です。書いた候補が本当の原因かは、観察や記録で確かめます。
数値の図では、見た目だけで差を判断しないことも大切です。棒グラフの縦軸を途中から始めると、小さな差が大きく見えやすくなります。Aが100、Bが110なら、差は10、Aからの増加率は10÷100×100=10%です。
画面で見える棒の長さの比で計算してはいけません。
棒と折れ線などを組み合わせるものが複合グラフ、左右に別の縦軸を置くものが2軸グラフです。パレート図は、件数と累積割合を両軸で示す例です。ただし、複合グラフが必ず2軸とは限りません。
2軸グラフでは、単位と目盛りをそれぞれ確認します。線の位置が近いだけで、同じ値や同じ動きとは判断できません。理解に役立たない立体的な飾りなどを、チャートジャンクと呼びます。飾りより、何をどの尺度で示した図かに注目しましょう。
原因の候補を、整理してから確かめる
5箱とひげで、データの広がりを読む
待ち時間の「真ん中」と「ばらつき」を一緒に見たいときは、箱ひげ図が役立ちます。値を小さい順に並べた真ん中の値が中央値です。個数が偶数なら、中央の二つの値の平均を使います。
並べたデータを四つに区切る位置の値を、四分位数と呼びます。箱ひげ図では、第1四分位数から第3四分位数までを箱にし、箱の中に中央値の線を入れます。箱や線の位置を比べると、分布の違いをつかめます。
ひげをどこまで伸ばすかや四分位数の求め方には、複数の方法があります。この教材の次の7個の値の例では、ひげを最小値・最大値まで伸ばす方式を使います。まず元の値から箱へ対応させ、問題では凡例や指定された計算方法を確認しましょう。
一方、広さ・売上・来店者数のような三つの量を同時に表したいときは、横軸・縦軸に円の大きさを加えるバブルチャートがあります。これは箱ひげ図と違い、一つの円で一つの店舗などを表す図です。詳しい使い分けは「比較・予定・発想」の説明で確認できます。
6箱の位置を、実際の7個の値と結ぶ
待ち時間を小さい順に並べると、1、2、3、4、6、8、9分でした。この7個の値から箱ひげ図を作る手順を見てみましょう。
- 小さい順に並べる
1、2、3、4、6、8、9 分
- 中央の値を見つける
4番目の4分が中央値です。
- 前半・後半の中央を見つける
中央値を除く前半「1、2、3」の中央は2分、後半「6、8、9」の中央は8分です。
- 数値を同じ目盛りへ置く
箱の端は2分と8分。中央値の線は4分。ひげは最小1分と最大9分です。
横軸:待ち時間(分)
この例は中央値を前半・後半に含めずに四分位数を求め、ひげを最小値・最大値まで描く方法です。資料によって算出方法やひげの定義が異なるため、条件も確認します。
箱の長さは8−2=6分です。箱の広がりや中央値の位置を比べると、データのばらつきや中心の違いを読み取れます。
四分位数の算出方法やひげの定義には複数の方法があります。ここで使った手順をすべての図へ自動的に当てはめず、問題文や凡例で確認しましょう。
7いつもと違う動きに気づくための管理図
受付の待ち時間を、発生した順に記録する場面を考えます。仕事の一連の作業を工程と呼びます。時間順の測定値を、普段のばらつきから考えた基準線と比べ、いつもと違う兆候を見守る図が管理図です。この基準線を管理限界線といいます。
例えば最後の待ち時間だけが上の管理限界を超えたら、そのときの測定条件や、受付の作業が変わっていないか調べます。線を外れたことだけで、特定の原因が分かったわけではありません。
管理限界は、普段のばらつきなどから考える基準です。客が求める製品の規格値そのものとは限りません。また、線の内側に点があるからといって、異常が絶対にないともいえません。
発生した事象を項目別に記録し、数えやすくする表がチェックシートです。記録を集める段階と、その結果を管理図やパレート図で調べる段階を分けましょう。
時間順に並べ、いつもと違う動きを見つける
8面積や、複数の軸で特徴を表す
クロス集計の件数を長方形の面積で示す図が、モザイク図です。下の例では午前40杯、午後60杯なので、二つの時間帯の横幅を4対6にしています。それぞれの中を温かい・冷たいの割合で分けると、四角形の面積が全体の件数に対応します。
例えば午後の冷たい飲み物は40杯です。図全体が100杯なので、その四角形の面積は全体の40%になります。高さだけを見て、全体の件数と判断しないようにしましょう。
価格・味・接客など複数の項目を、中心から放射状に伸びる軸で示すものがレーダーチャートです。何が得意か、どこを改善したいかを比べるときに使います。
軸の上限、項目の順序、数値が大きいほどよいかをそろえて読みます。例えば手頃さは高い点ほど高評価になる尺度にしておけば、味などと読み方をそろえられます。囲まれた面積だけで、総合的に優れているとは決められません。二つの量と第三の量を比べたい場合は、バブルチャートという別の表現もあります。
図の数値を文字で確認
午前40杯と午後60杯を横幅4対6で表示。午前は温かい30冷たい10、午後は温かい20冷たい40。全100杯。
図の数値を文字で確認
カフェAの5点満点の評価例。味4、手頃さ3、接客5、居心地2。全項目で外側ほど評価が高い。
9交わるマスに、何を入れる図なの?
マトリックス図は、縦と横に要素を並べ、交点で関係の有無や強さなどを示す図です。例えば困りごとと改善策を並べ、関係する候補に丸を付けます。
下の例では「会計で待つ」と「会計担当を追加する」の交点に丸を付けています。この丸は検討する対策の候補で、改善効果を実証した印ではありません。
見た目が表でも、交点に何を入れるかが違います。人数や杯数を数えて入れるのがクロス集計表、関係の有無などを表すのがこのマトリックス図です。会社の組織形態を表すマトリックス組織とも区別しましょう。
10同じ「図」でも、比較・予定・発想では選び方が違う
店舗の広さと売上、来店者数を一度に比べたいなら、バブルチャートが候補です。一つの円が一つの店舗を表し、横軸・縦軸・円の大きさに三つの数値を対応させます。円の面積と半径のどちらが数値に対応するかも確認します。
予定を見たいときは、別の図を使います。ガントチャートは、縦に作業、横に時間を置き、開始から終了までを横棒で示します。例えば撮影が月曜から水曜、執筆が火曜から金曜なら、火曜と水曜は期間が重なります。この図だけで作業の依存関係まで分かるとは限りません。
ロードマップは、目標へ向けた節目や段階を時系列に整理する見取り図です。「4月に試作、6月に試験販売、9月に本格提供」のような大きな道筋を共有します。
発想を広げたいなら、中心のテーマから関連する考えを枝のように広げるマインドマップがあります。例えば学園祭から、飲食・展示・案内へと考えを広げます。
三つの数値を比べるのか、作業の期間を見るのか、将来の節目を共有するのか、発想を広げるのか。したいことを決めて図を選びましょう。
作業の期間・将来の節目・発想を描き分ける
参考:IPA:学習範囲 ↗
復習
このパートを振り返ろう
気温と販売数の関係には、なぜ散布図を使いますか。
答え方と、確認するポイント
同じ日の気温と販売数を一組の点で示せるためです。棒グラフは種類の数量、折れ線は時間の変化など、知りたいことに合わせて図を選びます。
上位二つの問い合わせの割合は、どう求めますか。
答え方と、確認するポイント
二つの件数を足して全件数で割ります。累積比率の線も同じ合計の割合です。常に二つで80%になるわけではなく、与えられた値から計算します。
「午後の注文のうち」という条件なら、割合の分母は何ですか。
答え方と、確認するポイント
午後の合計です。1日全体を分母にすると別の割合になるため、何を100%とするかを言葉で確かめてから計算します。
棒が倍の長さに見えたら、値も倍になったと判断できますか。
答え方と、確認するポイント
縦軸の開始位置や目盛りを確認します。増加率は、実際に増えた値を元の値で割ります。表示されている棒の部分だけを比較して求めません。
問題で確かめる
学んだことを問題で確かめよう
入門の確認問題4問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。
ヒントを見る
1日につき「気温、売上」という二つの数値がある。
オリジナル入門問題 · シラバス 6.5
4問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。
出典・参考資料を確認する
学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目2。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。