同じ注文業務を、三つの図で見る
- 顧客と注文の関係を表す目的にE-R図を選ぶ
- DFDの矢印を、順番ではなく流れるデータとして読む
点線のことばを押すと、意味と使い方を調べられます。
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このページの目次 3節・復習と2問
- 1説明を読む
- 2復習する
- 3問題を解く
- 4次へ進む
1モデリングは仕事を共有できる形にすること
モデリングとは、現実から目的に必要な要素を取り出して表すことです。業務を聞き取り「誰が、何を受け取り、何をするか」を図にすると、現場と開発者が同じ前提を持てます。単にデータから新しい法則を発見する分析や、知識の共有、要員の組織化とは目的が異なります。
同じ注文業務でも、保存する情報の関係を知りたいのか、情報の移動を知りたいのか、担当者の手順を知りたいのかで図を選びます。
この説明に出てきた略語の正式名称
- DFD
- Data Flow Diagram
データの流れを表す図 - BPMN
- Business Process Model and Notation
業務プロセスを図で表すための表記法
2E-R図は実体と関係を読む
E-R図(Entity Relationship Diagram:実体関連図)は、顧客・注文など管理したい対象である実体と、その関係を表します。属性は顧客番号や注文日など、実体が持つ項目です。
「1人の顧客は複数の注文を出せる」「1件の注文は1人の顧客に属する」という1対多の関係を読めます。この関係線は処理が進む矢印ではありません。顧客番号を注文に持たせれば、同姓同名でも注文主を識別できます。
長方形は管理する対象、ひし形は関係です。この例では、1人の顧客に0件以上の注文が対応し、1件の注文は1人の顧客に対応します。注文日などの情報も注文に記録します。線は作業の順番ではありません。関係の描き方には複数の表記法があります。
上の関係図を、対象→項目→何件と結び付くかの順に読む。線は実行順ではない。
3DFDはデータがどこで処理されるかを読む
DFD(Data Flow Diagram:データフロー図)は、データの流れ、データを変換する処理、保存先、外部の相手を表します。注文データが「受注登録」の処理に入り、注文台帳へ保存される、という読み方です。
矢印には「注文情報」のようなデータ名を付けます。「はい/いいえ」で処理順を分ける図ではありません。外部の相手と保存先を処理なしで直接つなぐなど、どこで変換・入出力するかが分からない描き方も避けます。
四角は外部の相手、丸は処理、二重線はデータの保存先です。矢印は注文内容などのデータの流れを表します。物の配送経路や、処理の実行順だけを表す図ではありません。
4BPMNとアクティビティ図は手順・分岐・担当を読む
BPMN(Business Process Model and Notation:業務プロセスのモデルと表記法)は、業務を共通の記号で表す標準です。開始・終了を円、作業を角丸長方形、分岐などをひし形で表し、実行順を実線矢印で結びます。
レーンで担当を区切れば、営業から倉庫への引継ぎも分かります。
UML(Unified Modeling Language:統一モデリング言語)のアクティビティ図も、活動の流れ・分岐・担当の区画を表せます。ただし担当区画だけから作業コスト、所要時間、品質目標の数値までは分かりません。
数値が示されているかを確認して読みます。
同じ販売会社の仕事を、営業・倉庫の担当区画(レーン)に分けた架空例です。細い丸は開始、太い丸は終了。×入りのひし形では、在庫があれば出荷し、なければ欠品を連絡します。実線矢印は仕事の順番です。記号の根拠:OMG BPMN 2.0.2。
開始・終了
実行する作業
条件による分岐
営業・倉庫などの担当
5図で分かることを見極める
業務の手順を表すWFA(Work Flow Architecture:業務流れの記述様式)と、データの関係を表すE-R図は区別します。CRUD図はCreate(作成)、Read(参照)、Update(更新)、Delete(削除)の頭文字を使い、処理とデータの操作の対応を表します。
例えば受注登録は注文データをC、出荷確認はRとUにします。
DMM(Diamond Mandala Matrix:ダイヤモンド・マンダラ・マトリックス)は、業務の機能を階層的に整理する図として使われます。中心に対象の業務を置き、周囲に構成する機能を並べ、各機能をさらに細かな機能へ分けます。
例えば注文業務を受注・出荷・請求などに分けると、何をする業務があるかを整理できますが、処理順を表す矢印とは異なります。
パレート図は件数の多い問題から改善対象を選ぶ図、レーダチャートは複数指標のバランスを見る図で、どちらもそれだけで業務の手順は示しません。BABOK(Business Analysis Body of Knowledge:ビジネスアナリシス知識体系)は分析に関する知識体系であり、BPMNという表記法ではありません。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
担当者が分かる図なら、作業時間も分かる?
時間の数値がなければ判断できないよ。図が実際に示している情報を読もう。
復習
このパートを振り返ろう
問題で確かめる
学んだことを問題で確かめよう
入門の確認問題2問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。
ヒントを見る
何の順番ではなく、データの関係を知りたい問題。
オリジナル入門問題 · シラバス 6.5
2問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。
出典・参考資料を確認する
学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目19。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。
学習範囲と参考資料
- IPA ITパスポート試験 シラバス6.5(出題範囲) ↗
- OMG BPMN 2.0.2 ↗
- OMG UML 2.5.1 ↗
- IPA 2022年度公開問題 ↗
- IPA 2023年度公開問題 ↗
- IPA 2024年度公開問題 ↗
- IPA 2026年度公開問題 ↗
- IBM Entity Relationship Diagram ↗
シラバスは学習範囲の根拠です。説明は参考資料を基に当サイトが作成しています。身近な事例・会話・図の数値は学習用の架空例です。2026年9月10日確認。