顧客の困り事から小さく検証する
作る前に何を確かめるかを決め、観察と試作から学びます。
- 調査に基づく利用者像を、思い込みだけの設定と区別できる。
- 技術が実現できることと、利用者や事業に価値があることを区別できる。
- 開発前の実現性検証を、顧客管理・システムの性質・サービスの合意と区別できる。
点線のことばを押すと、意味と使い方を調べられます。
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このページの目次 3節・復習と3問
- 1説明を読む
- 2復習する
- 3問題を解く
- 4次へ進む
1デザイン思考とペルソナ:使う人から考える
デザイン思考は、人の行動や困り事を理解し、課題を定め、アイデアを試作品にして確かめながら解決を探る考え方です。見た目を整えるだけの活動ではありません。共感・問題定義・発想・試作・テストなどの活動を行き来します。
ペルソナ法では、調査に基づいて典型的な利用者像を具体的に描きます。「30代」のような属性だけでなく、目的、行動、使う環境、困り事を含めます。架空例なら「夜勤後に片手で買物を済ませたい人」。思い込みだけの人物像にせず、観察や聞取りによって見直します。
- 1観察・共感
利用者の行動を知る
- 2課題を定める
何に困っているか
- 3発想・試作
解決案を形にする
- 4テスト
反応から課題や案を見直す
一本道で固定せず、発見に応じて前の活動へ戻る。
2PoCは実現性、PoVは価値を確かめる
PoC(Proof of Concept:概念実証)は、新しい技術やアイデアが実現できるか、本格開発前に小規模な実験で確かめる活動です。例えば、商品画像100枚で傷を判別できるか試します。検証する仮説、対象条件、判定基準を先に決め、失敗も次の判断に生かします。
PoV(Proof of Value:価値実証)は、その仕組みが顧客や事業にどのような価値をもたらすか確かめます。傷を見分けられても、確認作業が増えて費用が下がらなければ期待する価値に届きません。実現性と価値は関連しますが、同じ問いではありません。
実証の成功は本番環境での全面的な成功を保証しません。照明・利用人数などの条件差を確認し、本開発や導入の判断へ進みます。
技術が動くことと、仕事に役立つことを分けて確かめる。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
技術が動いたら、価値実証も終わり?
動くことと役立つことは別の問いだよ。時間や費用、使う人の負担も確かめよう。
4リーンスタートアップは仮説から学ぶ循環
リーンスタートアップは、不確実な事業で、仮説を立て、最小限の製品を顧客に試してもらい、反応を測定して学習する循環です。MVP(Minimum Viable Product:学習に必要な最小限の製品)には、検証したい価値に必要な機能を絞ります。
単に品質を落とした製品という意味ではありません。
架空の予約サービスなら、「当日予約したい」という仮説を、予約受付だけの試作品で検証します。予約数や継続利用などを測り、続行・修正・方向転換を判断します。顧客の反応を知らずに機能を作り込むと、不要なものへ投資し続けるおそれがあります。
カニバリゼーションは自社製品同士などで需要を奪い合うこと、業務モデリングは業務の構造や流れを表すこと、DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)はデジタル技術を用いた事業や組織などの変革です。
試作と顧客検証を繰り返す手法とは区別します。
最後の学習を次の仮説に戻して繰り返す。
5ビジネスモデルキャンバスで仮説をつなぐ
ビジネスモデルは、誰にどんな価値を届け、どのように収益を得るかという事業の仕組みです。ビジネスモデルキャンバスは、その仕組みを9要素で1枚に整理します。
9要素は、難しい名前を日常の問いに置き換えると分かります。
- 顧客セグメント:誰に届けるか。届ける相手のまとまり。
- 価値提案:その人のどんな困り事を解決するか。
- チャネル:どう届けるか。販売・情報提供・配送などの経路。
- 顧客との関係:どのように接し、つながりを保つか。
- 収益の流れ:誰から何の対価を受け取るか。
- 主要リソース:提供に必要な人・設備・技術などの資源。
- 主要活動:提供のために行う大切な仕事。
- 主要パートナー:協力する外部の相手。
- コスト構造:どんな費用が発生するか、その内訳。
例えば弁当の予約配送なら、顧客は昼休みの短い会社員、価値は待たずに受け取れること、収益は弁当代金となります。配送相手や配達費用もつながっているため、販売価格だけでなく全体で実現性を考えます。
書き込んだ内容は仮説です。試して得た事実で各欄を更新します。計画書を埋めたこと自体が、顧客が買う証拠にはなりません。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
最初から全部作らなくていいんだね。
何を知りたいかを先に決めよう。その仮説を確かめるのに必要な形を作るんだ。
復習
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問題で確かめる
実際の問題に挑戦しよう
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)公開過去問1問、入門の確認問題2問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。
ヒントを見る
作り手の好みではなく、調べた利用者の行動を根拠にします。
オリジナル入門問題 · シラバス 6.5
公開問題・原図の著作権はIPAにあります。表記・表の配置を整えています。解説は当サイト独自のものです。
3問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。
出典・参考資料を確認する
学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目13。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。
学習範囲と参考資料
- IPA ITパスポート試験シラバス Ver.6.5(範囲確認) ↗
- Stanford d.school:Get Started With Design ↗
- Eric Ries:The Lean Startup Methodology ↗
- Strategyzer:Business Model Canvas ↗
- IPA 2022年度 ITパスポート公開問題 ↗
- IPA 2025年度 ITパスポート公開問題 ↗
シラバスは学習範囲の根拠です。説明は参考資料を基に当サイトが作成しています。身近な事例・会話・図の数値は学習用の架空例です。2026年9月10日確認。