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4-05 · 技術開発戦略の立案・技術開発計画4節・復習・3問

研究から市場普及までの壁を越える

技術が生まれてから、多くの人に使われるまでの障壁を学びます。

このパートで確かめること
  • 研究・開発・事業化・市場生存のどこにある障壁か選べる。
  • 早期採用者から前期多数派への普及の隔たりを見分けられる。
  • 既存顧客や利益の重視が、新技術への対応を遅らせる状況を説明できる。
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説明 1 / 4
このページの目次 4節・復習と3問
  1. 1説明を読む
  2. 2復習する
  3. 3問題を解く
  4. 4次へ進む

1研究成果を事業へつなぐ三つの障壁

研究で原理が分かっても、実用品にできるとは限りません。魔の川は、研究の成果を製品につながる開発へ移す間の障壁です。用途や実現方法を見つける必要があります。

死の谷は、開発した技術を事業化へつなぐ間の障壁です。試作品が動いても、量産設備、資金、人材、販路などが足りず事業にできない場合があります。ダーウィンの海は、事業化した後、市場で競争して生き残るための障壁です。売り始めただけでは継続的な収益は保証されません。

これらは技術の事業化を考える比喩で、資料によって段階の区切り方に幅があります。学習では「研究から開発」「開発から事業化」「市場での生存」という中心的な違いを押さえます。

事業になるまでに、どこで止まる?
研究原理を発見魔の川使い道を見つける開発試作品を作る死の谷資金・量産・販路事業化販売を始めるダーウィンの海競争で生き残る継続価値を届ける

川・谷・海は、次の段階へ進む難しさの比喩です。図は中心的な区別を示し、実際の開発日程や障壁の大きさを示すものではありません。

研究から継続事業まで
  1. 1
    研究

    原理・可能性を発見

  2. 2
    魔の川 → 開発

    用途を定め、実用技術へ

  3. 3
    死の谷 → 事業化

    資金・量産・販路を整える

  4. 4
    ダーウィンの海 → 生存

    市場競争で価値を届け続ける

各障壁は、直前の段階から次へ進む難しさを示す。

ハルとビットで、使い方を確かめよう

ハル

試作品ができても、まだ死の谷があるんだね。

ビット

量産や販売には別の準備が要るよ。技術の完成と事業の成立を分けて考えよう。

2新しいものの採用には順序の違いがある

新製品を採用する人を、イノベーター(革新者)、アーリーアダプター(早期採用者)、アーリーマジョリティ(前期多数派)、レイトマジョリティ(後期多数派)、ラガード(遅滞者)の五つの層として捉える考え方があります。

革新者は新しさに関心が高く、早期採用者は先進的な価値を見いだして取り入れます。前期多数派は実績や実用性、後期多数派は広く普及した安心感などを重視する傾向があり、遅滞者は採用に慎重です。人を永久に分類するラベルではなく、特定の製品をいつ採用するかを考えるモデルです。

キャズムは、早期採用者と多数派の間
1 革新者新しさを試したい2 早期採用者先進的な価値に期待するキャズム:買う理由が違う3 前期多数派実績・使いやすさを確かめる4 後期多数派広く普及した安心感を重視5 遅滞者採用に慎重

上から採用時期の順です。深い溝を置いたのは2と3の間。人数の割合や時間の長さは表していません。人を永久に分類するものでもありません。

採用者の順序と隔たり
順序見方の例
1イノベーター新しさを試す
2アーリーアダプター先進的な価値を評価
2と3の間キャズム早期採用者と多数派の隔たり
3アーリーマジョリティ実績や実用性を確認
4レイトマジョリティ普及後の安心感を確認
5ラガード採用に慎重

隔たりの位置は「早期採用者と前期多数派の間」。

3キャズム:早期採用者から多数派へ渡す

キャズムは、新しい技術が普及する過程で、早期採用者と前期多数派の間にある大きな隔たりです。先進的な少数の人が喜んでも、実績やサポートを求める多数派が同じ理由で買うとは限りません。

架空の業務機器なら、先進性を強調するだけでなく、同じ業種での導入実績、設定の簡単さ、保守体制を示すことが多数派への普及を支えます。死の谷は主に事業化に向けた資金などの障壁であり、採用者層の隔たりを指すキャズムとは異なります。

カニバリゼーションは自社商品同士などの需要の奪い合い、レッドオーシャンは競争が激しい既存市場を表します。市場という場面が共通でも、何が障壁になっているかを読み分けます。

似た市場用語を分ける
キャズム

採用者層の間の普及障壁

死の谷

開発から事業化への障壁

カニバリゼーション

自社製品同士などの需要の奪い合い

困難がある、というだけでなく、その原因を読む。

ハルとビットで、使い方を確かめよう

ハル

早く買ってくれた人が喜べば、みんなにも売れる?

ビット

多数派は実績や使いやすさも見るよ。相手が変われば、伝える価値や支援も見直すんだ。

4イノベーションのジレンマ:成功が対応を難しくする

イノベーションのジレンマは、既存の優良企業が主要顧客の要求や既存事業の利益を合理的に重視した結果、当初は性能や収益性が低く見える新しい技術・市場への対応が遅れ、後に競争上の地位を失うことがあるという考え方です。

架空例では、高性能で高価格の機器を求める顧客に応え続けた企業が、安価で簡単な小型機器の市場を見落とします。新技術が成長して広い顧客に使われるようになると、従来の強みだけでは対応しにくくなります。

単に技術力が低いから失敗する、という話ではありません。小さな市場を別の評価基準で育てる組織、顧客検証、社外との協業などを検討し、既存事業と将来の選択肢を両方見ます。どの方法にも必ず成功する保証はありません。

イノベーションのジレンマ
  1. 1
    既存事業の成功

    大口顧客と高収益を重視

  2. 2
    市場を低評価

    小規模・低収益に見える

  3. 3
    新技術が成長

    顧客が求める水準に届く

  4. 4
    対応が遅れる

    従来の強みだけでは勝てない

成功した企業でも起こり得る意思決定の問題。

2

復習

このレッスンを振り返ろう

試作品が動けば、量産して販売する準備も整ったといえますか。

答え方と、確認するポイント

量産設備、資金、人材、販路は別に必要です。開発から事業化への死の谷を、研究から開発への魔の川市場で生き残る壁と区別します。

新しさを喜ぶ人に売れた後、次の利用者へ何を確かめますか。

答え方と、確認するポイント

実績、実用性、支援などの必要が変わる場合があります。キャズムは採用者層の間の隔たりで、人を永久に分類するものではありません。

技術力のある優良企業でも、新市場への対応が遅れるのはなぜですか。

答え方と、確認するポイント

既存事業の評価基準では小さく利益の低い市場が優先されない場合があります。これがイノベーションのジレンマで、将来の選択肢も別の基準で確かめます。

3

問題で確かめる

学んだことを問題で確かめよう

入門の確認問題3問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。

オリジナル入門問題1 / 3問
試作品は動いたが、量産の設備や資金、販路が不足し、事業を始められない。この教材でいう主な障壁はどれか。
ヒントを見る

試作品ができた後、売る事業を始める前の段階です。

オリジナル入門問題 · シラバス 6.5

3問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。

自作解説 · 2026.09.15 確認
出典・参考資料を確認する

学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目13。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。

学習範囲と参考資料

シラバスは学習範囲の根拠です。説明は参考資料を基に当サイトが作成しています。身近な事例・会話・図の数値は学習用の架空例です。2026年9月10日確認。

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