名前を集めるとき、何に気をつける?
予約名簿を作る場面から、個人情報の集め方・使い方・守り方を学ぼう。
- 氏名以外からも個人情報に当たり得ると判断できる。
- 本人同意の原則と、委託・法令・救命等の扱いを区別できる。
- 漏えいの初動で責任者へ速やかに報告し、人数だけで委員会報告や本人通知を不要と判断しない
点線のことばを押すと、意味と使い方を調べられます。
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このページの目次 5節・復習と4問
- 1説明を読む
- 2復習する
- 3問題を解く
- 4次へ進む
1名前・名簿・個人データの違いを知る
生きている個人についての情報で、氏名などから特定の個人を識別できるものが個人情報です。他の情報と容易に照合して個人を識別できるものや、法令で定める個人識別符号を含むものも対象です。名前と連絡先のある予約名簿は身近な例です。
病歴など、不当な差別や偏見につながらないよう特に配慮が必要な情報は、要配慮個人情報と呼びます。
- 必要な人の情報を探せるように整理した情報の集まりが、個人情報データベース等です。検索できる予約一覧だけでなく、索引を付けた紙の名簿なども該当します。
- その中に含まれる一人ひとりの個人情報が、個人データです。
同じ名簿でも、何を指す言葉かが違う
2目的を決め、必要な情報を適切に扱う
名簿を作る前に、何に使うかという利用目的をできる限り特定します。取得時の通知・公表や、本人から申込書などで直接取得するときの明示など、場面に応じた対応が必要です。通常の個人情報の取得が、すべて事前同意必須という意味ではありません。
一方、利用目的の範囲を超える取扱いや要配慮個人情報の取得などは、原則として本人の同意が必要です。小さな店でも、個人情報データベース等を事業に使えば義務の対象になり得ます。
- 1目的を決める
予約確認など、使う範囲
- 2取得・利用
目的の明示等と適切な利用
- 3安全に管理
利用者の制限・漏えい防止
- 4不要になったら
利用の必要性を確認し消去に努める
同意が必要な場面と、目的の通知・公表等が必要な場面を分ける。
3本人の同意が原則でも、例外には理由がある
個人データを第三者へ渡すときは、本人の同意が原則です。法令に基づく場合や、人の生命・身体・財産を守る必要があり本人の同意を得ることが困難な場合などには例外があります。例えば意識のない人の救命に必要な情報提供と、新商品の営業のために名簿を渡す行為は、同じ理由で扱えません。
オプトアウトによる第三者提供にも制度上の条件があります。本人が容易に知り得る状態に必要事項を置くなどの対応、個人情報保護委員会への届出、本人からの求めに応じた提供停止が必要です。要配慮個人情報、不正取得されたデータ、別の事業者からオプトアウトで受けたデータ等は、この方式の対象外です。
「拒否されたら止める」と書くだけでは十分ではありません。
利用目的に必要な処理を委託する場合は、法定の第三者に当たらない扱いですが、委託先の監督が必要です。外国にある第三者への提供には追加のルールが関わるため、国内と同じ一文だけで判断しません。
| 見分ける対象 | 意味・使う場面 |
|---|---|
| 救命が必要・本人同意が困難 | 法定例外の条件を確認 |
| 新商品の営業目的 | それだけでは同意不要の例外にならない |
| オプトアウト提供 | 届出・周知・停止対応等と対象外データを確認 |
| 処理の委託 | 委託先の適切な監督が必要 |
例外は、目的だけでなく「同意が困難」等の条件まで読む。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
予約した人の名前と電話番号を表にしているよ。小さなお店でもルールがあるの?
あるよ。何に使うかを示し、必要な人だけが扱えるようにして、外へ渡すときも条件を確認するんだ。
急いで売り込みたい、も例外になる?
営業上の都合だけではならないよ。生命の保護など、法律の条件を確認しよう。
4漏えいを防ぎ、起きたときに対応する
漏えいなどを防ぐ安全管理措置も行います。要配慮個人情報を含む場合や、不正利用による財産的被害のおそれがある場合など、法令で定める漏えい等では、個人情報保護委員会への報告や本人への通知が必要です。少人数でも対象になることがあります。
発見したら、まず責任者へ速やかに報告します。
- 1速やかに報告
責任者に状況を伝える
- 2被害を広げない
組織の手順で対応する
- 3法定手続を確認
報告・本人通知の対象か確認する
少人数でも法定報告等の対象になる場合がある。
5人に関わるデータを、もう少し丁寧に分ける
パーソナルデータは、人に関わるデータを広く表す言葉です。日本法上の個人情報に当たるものだけでなく、個人を識別できない行動履歴等を含む文脈もあります。法律上の個人情報・個人データと、全く同じ範囲を表すとは限りません。
個人識別符号には、個人を識別するために変換した指紋等の身体の特徴や、旅券番号など法令で定める番号が含まれます。すべての会員番号が、その名前だけで法令上の個人識別符号になるわけではありません。ただし名簿と容易に照合できれば個人情報に当たり得ます。
要配慮個人情報には、信条、病歴、犯罪の経歴などがあります。学歴・国籍・資産額という項目だけで、全て要配慮個人情報とするわけではありません。要配慮でない個人情報も保護が不要になるわけではありません。
個人情報データベース等を事業に使う者が個人情報取扱事業者に当たり、個人情報保護委員会は制度の監督等を担います。会社が小さいことだけで対象外にはなりません。
| 見分ける対象 | 意味・使う場面 |
|---|---|
| パーソナルデータ | 個人に関わる情報を広く捉える言葉 |
| 個人情報 | 本人を識別できる情報等 |
| 個人データ | 個人情報データベース等を構成する個人情報 |
| 要配慮個人情報 | 信条・病歴等、特に配慮が必要な類型 |
広い呼び方と法律上の定義を区別する。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
病歴でなければ、名簿を自由に使っていい?
要配慮に当たるかと、個人情報を適切に扱う義務は別だよ。
6番号への置き換えと、復元できない加工の違い
仮名加工情報は、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないよう、法定の方法で加工した情報です。匿名加工情報は、法定の基準で特定の個人を識別できず、元の個人情報を復元できないように加工した情報です。
例えば名前を001に変えても、「001=ハル」という対応表があれば、照合で本人に戻せます。また、名前を消しても住所・職業などの組合せから特定できる場合があります。単なる伏字と法定の加工は同じではありません。
- 仮名加工情報:本人の識別を目的とする照合等を禁止し、法令に基づく場合等を除いて第三者提供を原則禁止するなどの規律があります。
- 匿名加工情報:適切な加工、加工方法等の安全管理、情報項目等の公表、第三者への提供時の明示、識別行為の禁止などを守って活用します。
国際的にいう仮名化・匿名化と、日本の法律の仮名加工情報・匿名加工情報は、似た考え方でも制度上の要件を別に確認します。
「名前が見えない」と「匿名加工情報である」は同じではない。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
名前をお客さん番号に変えれば、誰の情報か分からなくなる?
番号との対応表などで分かる場合があるね。名前を消すだけで匿名になったとは決められないよ。
名前の列を消せば、匿名加工情報が完成?
他の項目から分からないか、復元できないか、加工の基準や利用ルールまで見る必要があるよ。
7海外にある会社だけが、海外のルールを守る?
GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)は、EU(European Union:欧州連合)の個人データ保護の規則です。
- EU域内の拠点の活動に関連する処理は、実際の処理場所がEU外でも対象になり得ます。
- EU域内に拠点がない事業者でも、EU域内にいる人への商品・サービスの提供や、域内での行動の監視に関わる処理などは対象になり得ます。
国籍だけ、会社の所在地だけで決めません。日本語サイトが偶然EUから見えることだけで、直ちにEU向け提供だと決めるわけでもありません。
忘れられる権利(消去権)は、目的のために不要になった等の条件で個人データの削除を求める権利です。表現・情報の自由、法令上の義務、公益上の理由等の例外もあり、本人が言えばどの記録も必ず消す制度ではありません。仮名化しても再識別できる個人データは、当然に保護対象外となるわけではありません。
EU在住者の国籍だけで適用を決めない。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
日本の会社なら、関係ないのかな?
EUの人向けのサービス等なら関わる場合があるよ。会社の住所だけでは決められないんだ。
8マイナンバーは、便利な社員番号にしてよい?
マイナンバーは、住民票のある人に付番される12桁の個人番号です。日本国籍の人だけに付ける番号ではなく、住民票のある外国人にも付番されます。希望する数字を自由に指定したり、気分で変更したりする制度ではありません。
漏えいし不正利用のおそれがある場合などの変更手続は別にあります。
マイナンバー法は、法令で定める事務での利用・提供等を規律します。会社が税や社会保険の手続で扱う場面があっても、社内の社員番号や店の会員番号へ自由に流用できるわけではありません。必要な事務と目的を確認し、本人確認や厳格な管理を行います。
| 見分ける対象 | 意味・使う場面 |
|---|---|
| 誰に付く? | 住民票のある人。国籍だけで限定しない |
| 自由に選べる? | 希望番号の指定や任意変更はできない |
| 何に使える? | 法令で定める事務。社員番号へ自由に流用しない |
番号の便利さと、利用が許される範囲は別。
参考:e-Gov:行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 ↗
ハルとビットで、使い方を確かめよう
全員違う番号なら、社員番号にも便利そう。
便利でも用途は制限されているよ。税などの手続で集めた番号を自由に流用はできないんだ。
復習
このパートを振り返ろう
氏名を記録していなければ、必ず個人情報ではありませんか。
答え方と、確認するポイント
他の情報と容易に照合して本人を識別できる場合や、法定の個人識別符号を含む場合も対象です。紙か電子か、会社が大きいかだけでも決まりません。
営業のための提供と、本人の同意を得られない救命時の提供を、同じ理由で扱えますか。
答え方と、確認するポイント
第三者提供は原則として本人同意が必要ですが、生命等の保護や法令などには定められた例外があります。単に相手が欲しがることは例外ではなく、委託にも目的の範囲と監督が必要です。
数人分の漏えいなら、何も報告しなくてよい?
答え方と、確認するポイント
要配慮個人情報などの条件で少人数でも報告対象になり得る。責任者へ速やかにつなぎ、法令上の報告・通知と被害拡大防止の対応を確認する。
問題で確かめる
実際の問題に挑戦しよう
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)公開過去問1問、入門の確認問題3問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。
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単独の列だけでなく、容易に照合できる情報も考えます。
オリジナル入門問題 · シラバス 6.5
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