ゼロから始める資格学習
全23章・シラバス6.5保存した教材
← 第2章「法務」の目次へ
2-09 · その他の法律・ガイドライン・情報倫理5節・復習・3問

法律だけ守れば、十分なの?

会社の判断やネットでの発信から、信頼を守る行動を考えよう。

このパートで確かめること
  • 法律の有無だけでなく、規範や相手への影響も踏まえて行動できる。
  • 生成された文章を根拠と照合して公開する対応を選べる。
  • 経営者を監督する企業統治を、資金調達や強みと区別できる。
表示・保存
説明 1 / 5
このページの目次 5節・復習と3問
  1. 1説明を読む
  2. 2復習する
  3. 3問題を解く
  4. 4次へ進む

1信頼を守るための、行動の基準

法令や社内規則、社会的な規範などを守って行動することをコンプライアンスといいます。「法律に違反していなければ何をしてもよい」と考えるものではありません。お客さんへの誠実な説明、職場での人権尊重、秘密を守る行動などにも関わります。

特に情報の収集・利用・発信で大切にすべき考え方が情報倫理です。発信する側だけでなく、受け取って広める側にも責任があります。

行動を考える三つの視点
法令

法律上のルール

組織のルール

社内規則や方針

倫理・社会規範

相手への影響、誠実さ

法令に触れるかどうかだけで判断を終えない。

ハルとビットで、使い方を確かめよう

ハル

都合の悪いアンケートだけ消したら、良い結果として紹介できるかな?

ビット

それでは実態が伝わらないよ。法律だけでなく、記録を誠実に扱う情報倫理も大切なんだ。

2画面の情報を、確かめてから使う

  • 実在しない記録を作るねつ造、都合よく書き換える改ざん、他人の成果を自分のものにする盗用は避けなければなりません。
  • 生成AI(Artificial Intelligence:人工知能)を使うときも、顧客情報や秘密を入力してよいか確認し、出力された内容の事実や権利を確かめます。
  • 似た意見ばかりが強まるエコーチェンバーや、推薦・検索の個別化で情報が偏るフィルターバブルにも注意します。自分の好みに合うことと、事実であることは別です。
情報を広める前に
  1. 1
    出所

    誰が、いつ示したか

  2. 2
    根拠

    元資料と一致するか

  3. 3
    影響

    秘密・個人・権利への影響

共有数や自分へのおすすめ表示は、真実である証明ではない。

ハルとビットで、使い方を確かめよう

ハル

文章を作る道具が答えてくれた内容も、そのまま信じていいわけではないね。

ビット

そう。元の資料や別の確かな情報と照らし合わせよう。誰が使うか、どんな影響があるかも考えるんだ。

3経営を見守る仕組みと、問題を伝える仕組み

経営の健全性や透明性などを確保するため、経営者を監督し統治する仕組みがコーポレートガバナンスです。業務の有効性、報告の信頼性、法令遵守などを確保するため、組織内で整備・運用する仕組みが内部統制です。売上の記録を担当者だけで確定させず別の人が確認するのは、内部統制の身近な例です。

公益通報者保護法は、一定の条件を満たす通報をした人が解雇などの不利益を受けないよう保護します。どの告発でも無条件に保護されるわけではありません。

役割を分けて、不正や誤りを防ぐ
担当者

記録や申請を作る

別の確認者

根拠と内容を確かめる

経営の監督

組織全体の健全性を見る

担当業務の確認と、経営を監督するガバナンスは範囲が違う。

ハルとビットで、使い方を確かめよう

ハル

記録を別の人にも確認してもらうのと、経営を見守るのは同じ?

ビット

見る範囲が違うよ。記録を別の人が確認するのは内部統制の身近な例。経営の健全性や透明性を確保する統治の仕組みはコーポレートガバナンスだよ。

4善意で広める前にも、ひと呼吸

ソーシャルメディアポリシーは、組織がSNS(Social Networking Service:人と交流・共有するネット上のサービス)等を使う方針や、役員・従業員の行動指針です。公式アカウントだけでなく、私的な投稿でも秘密の漏えいや会社への信用の影響を考えます。

報道機関へ取材方法だけを指定する規則とは異なります。

  • ネチケット(ネットマナー):画面の向こうにも人がいると考え、相手への配慮を持って利用することです。
  • チェーンメール:「多くの人へ転送して」等と拡散を促すメッセージです。善意を装った救援情報でも、根拠を確かめず転送しません。
  • フェイクニュース:事実でない内容をニュースのように伝える情報です。出所・日付・元資料を確認します。
  • ヘイトスピーチ:特定の民族等への差別や排除をあおる言動に関わります。発信の自由を理由に他者の尊厳を傷つけてよいわけではありません。

デジタルタトゥーは、投稿がコピー等で残り、完全に消すのが難しくなることを指す言葉です。「削除ボタンがあるから、何でも投稿してよい」とは考えません。

善意で広める前にも、ひと呼吸
見分ける対象意味・使う場面
組織や個人の投稿方針・秘密・人への影響を確認
転送を頼むメッセージ元の発信者と根拠を確認
話題のニュース日付・元資料・別の確かな情報を照合
削除できそうな投稿複製されて残る可能性を考える

広める前に確認することも、情報倫理

参考:IPA:シラバス Ver.6.5(学習範囲) ↗

ハルとビットで、使い方を確かめよう

ハル

人助けのお願いなら、すぐ転送した方がいい?

ビット

古い情報や作り話の場合もあるよ。元の発信と今も必要かを確かめよう。

5会社を動かす人と、確かめる人

経営の執行は、事業について決めて実行することです。監督は、その経営が健全かを確かめることです。独立性のある社外取締役の選任や、監督と執行の役割分担は、経営者だけで判断が閉じないための仕組みになります。単に会社を買収したり資金を集めたりすることが、直ちに監督強化になるわけではありません。

内部統制報告制度は、上場会社等の経営者が財務報告に係る内部統制を評価して報告し、原則として監査人の監査を受ける制度です。すべての会社が同じ報告書を提出する制度ではなく、適用対象や免除等があります。

ビジネスと人権では、自社だけでなく取引先も含め、事業が人権に及ぼす悪影響を確認し、予防・軽減する視点を持ちます。ハラスメントを放置せず、相談や是正につながる仕組みを用意します。ELSI(Ethical, Legal and Social Issues:倫理的・法的・社会的な課題)は、例えば顔認識による入室管理の便利さと、プライバシーや不公平な扱いなどを一緒に考える視点です。

過去問では、資金調達を行うコーポレートファイナンス、社名・デザイン等の統一したイメージを築くCI(変更の頻繁な統合と自動確認を行う継続的インテグレーション)(Corporate Identity:企業の個性・理念を表す統一的な考え方)、競争優位の核になるコアコンピタンスとの区別も問われます。

これらは資金・ブランド・強みの話で、経営者を監督するガバナンスとは焦点が違います。

会社を動かす人と、確かめる人
見分ける対象意味・使う場面
執行日々の事業を決め、実行する
監督経営が健全か、独立した視点でも確認する
内部統制報告財務報告のための統制を評価・報告する制度
人権・ELSI事業や技術の人・社会への影響を見る

ガバナンス、業務内の統制、外部への報告を区別する。

参考:e-Gov:金融商品取引法 ↗

参考:IPA:シラバス Ver.6.5(学習範囲) ↗

ハルとビットで、使い方を確かめよう

ハル

お金を集めれば、ガバナンスが強くなる?

ビット

資金調達と、経営を監督する仕組みは別なんだ。誰が確かめるかを見ると分かるよ。

この説明に出てきた略語の正式名称
CI
Continuous Integration
変更の頻繁な統合と自動確認を行う継続的インテグレーション
2

復習

このパートを振り返ろう

法律に具体的な禁止が見当たらなければ、都合の悪い記録を隠してよいですか。

答え方と、確認するポイント

社内規則や社会的規範、情報を受け取る相手への影響も考えます。ねつ造・改ざん・盗用を避け、事実を誠実に伝えます。

AIが自然な文章で答えた内容は、そのまま事実として公開できますか。

答え方と、確認するポイント

公式資料などの根拠と照合し、誤った記述を直します。読みやすさと事実の正確さは別で、入力時の秘密や公開時の権利・人への影響も確認します。

経営者への監督を強くすることと、資金を多く集めることは同じですか。

答え方と、確認するポイント

企業統治は経営を監視・監督する枠組みです。資金調達、ブランドの発信、競争力の源泉とは焦点が違います。誰が何を点検するかを見ます。

3

問題で確かめる

実際の問題に挑戦しよう

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)公開過去問1問、入門の確認問題2問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。

オリジナル問題1 / 3問
コンプライアンスの説明として適切なものはどれか。
ヒントを見る

法令に加えて、何を守る必要がある?

オリジナル入門問題 · シラバス 6.5

公開問題・原図の著作権はIPAにあります。表記・表の配置を整えています。解説は当サイト独自のものです。

3問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。

自作解説 · 2026.09.15 確認
出典・参考資料を確認する

学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目7。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。

説明の根拠を確認する

2026年9月8日確認。試験の基礎学習のために要点を整理しています。制度の適用条件や改正の詳細は、リンク先の公式資料で確認してください。

3問 / 操作体験

模試の操作を試す

解答から結果の確認までを、3問で体験できます。100問・120分の第1模試も無料で利用できます。