広告と取引にも、守るルールがある
「絶対にお得」と書く前に、表示や取引相手への責任を考えよう。
- 広告であることを隠した表示の問題を判断できる。
- 委託代金の適正化と、消費者向け表示などの法律を区別できる。
- 組込みソフトによる機器事故で、製造物の欠陥を確認する必要を説明できる。
点線のことばを押すと、意味と使い方を調べられます。
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このページの目次 3節・復習と3問
- 1説明を読む
- 2復習する
- 3問題を解く
- 4次へ進む
1買う人が、誤解せずに選べるようにする
商品を売るとき、実際より著しく優れた品質に見せたり、価格などを著しく有利に見せたりすると、買う人が正しく選べません。こうした不当な表示などを規制する法律が景品表示法です。品質などの優良誤認、価格などの有利誤認を区別します。
広告主が関与する広告なのに、一般の消費者には広告と分からないステルスマーケティングも規制対象です。感想に見える投稿でも、誰が表示内容に関与したかを確かめます。
違反の判断は、具体的な表示や取引の状況による。
2売り方と、取引相手に応じた法律を知る
- 通信販売などの取引のルールは特定商取引法に定められています。販売条件の表示などが必要で、クーリング・オフがすべての買い物に一律に使えるわけではありません。
- 事業者同士の取引では、独占禁止法が公正で自由な競争を守ります。
- また、中小受託取引適正化法(取適法)は、対象となる委託取引で代金の支払遅延などを防ぎ、中小受託事業者の利益を守る法律です。2026年施行の改正に対応した名称であり、旧下請法の教材と区別して読みます。
3製品やお金のサービスでは、別の法律も関わる
製品の欠陥によって人の生命・身体や他の財産に被害が生じたとき、製造業者などの責任を定めるのがPL法(Product Liability:製造物責任法)です。欠陥とは、通常備わっているべき安全性が欠けていることです。
ソフトウェアそのものはPL法の対象ではありませんが、組込みソフトの不具合によって機器が事故を起こした場合、機器の欠陥として責任が問題になることがあります。また、資金決済法は前払式支払手段や資金移動業など、金融商品取引法は投資商品などの取引に関わります。
試験では、まず誰とどのような取引をする場面かを読み、法律の目的と対応させます。
製品事故・支払い・投資で、見る法律が変わる
4商品券・送金・投資を分けて考える
先にお金を支払い、後で商品やサービスの支払に使える商品券などは、前払式支払手段に当たり得ます。資金決済法はこのような支払手段や、資金移動業等の制度を定めます。
例えば、代金を払って買う期限のない共通商品券と、買物のおまけで無償でもらうポイントでは、対価を得て発行しているかが違います。送金サービスは、お金を相手へ移動する役割です。暗号資産も商品券と同じ分類にはしません。
金融商品取引法は、有価証券等の取引を公正にし、投資者を保護する制度に関わります。
独占禁止法は、会社同士で価格を決めて競争を避けるカルテルなどを規制し、公正で自由な競争を守ります。特定デジタルプラットフォーム透明化法は、指定された大規模なオンラインモール等について、取引条件の開示など透明性・公正性を高める仕組みを定めます。
すべての小さなサイトが同じ義務の対象になるわけではありません。
| 見分ける対象 | 意味・使う場面 |
|---|---|
| 代金を先に払った商品券 | 前払式支払手段の要件を確認 |
| 買物時に無償でもらうポイント | 通常、対価を得た発行との違いを確認 |
| 相手へお金を送る | 資金移動に関する制度 |
| 有価証券等の取引 | 金融商品取引法 |
| 競争・大規模な仲介取引 | 独占禁止法・透明化法の対象を区別 |
名称が「ポイント」かより、対価や使い方などの実態を見る。
参考:e-Gov:昭和二十二年法律第五十四号(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律) ↗
参考:e-Gov:特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律 ↗
ハルとビットで、使い方を確かめよう
おまけのポイントも、お金を払って買う商品券も同じ?
先に対価を払ったかが違うよ。見た目の名前だけで分類しないんだ。
5原産国や景品も、受け取る人の誤解を防ぐ
広告の内容では、品質・価格だけでなく、原産国等についても誤認を招かないようにします。商品の品質が良くても、外国産の商品を国内産と誤解させる表示が適切になるわけではありません。
景品のルールでは、商品を買う等の取引に付随して提供するものかを確認します。購入などを条件にせず広く応募できるオープン懸賞は、通常、取引に付随する景品類の規制とは区別されます。ただし実際の応募条件等で判断するので、「懸賞なら全て違法」「無料応募ならどんな表示もよい」とはしません。
通信販売には特定商取引法の表示等のルールがあります。通信販売には訪問販売等と同じ一般的なクーリング・オフ制度が当然にあるわけではなく、返品特約等を確認します。クーリング・オフとは、一定の取引で一定期間内なら申込みの撤回・契約解除ができる制度です。
| 見分ける対象 | 意味・使う場面 |
|---|---|
| 原産国の表示 | 実際の産地等と誤認させない |
| 購入を条件とする景品 | 取引への付随性や景品規制を確認 |
| 購入不要の一般公募懸賞 | 通常の景品類とは区別して条件確認 |
| 通信販売の返品 | 返品条件を確認。一般的なクーリング・オフとは区別 |
買う人が何を判断する表示かを考える。
参考:消費者庁:制度の案内 ↗
ハルとビットで、使い方を確かめよう
買わずに応募できる懸賞も、全部同じ規制?
取引と結び付いているか等で違うんだ。応募条件まで読むことが大切だよ。
復習
このパートを振り返ろう
店が内容へ関与する宣伝を、自然な口コミのように見せてよいですか。
答え方と、確認するポイント
一般消費者が広告だと分からない表示は問題になります。品質や価格の表示に加え、誰が内容に関与した広告なのかも確認します。
取適法は、どのような関係の何を守る法律ですか。
ソフトの不具合なら、そのソフトを組み込んだ機器の事故もPL法と無関係ですか。
答え方と、確認するポイント
ソフト単体は製造物ではありませんが、組込み機器の安全性の欠如として問題になる場合があります。機器の欠陥と人や他の財産への損害など、法の条件を確認します。
問題で確かめる
学んだことを問題で確かめよう
過去問を参考にした独自問題1問、入門の確認問題2問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。
ヒントを見る
誰が関わった表示なのか、読む人に分かるかな?
オリジナル入門問題 · シラバス 6.5
3問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。
出典・参考資料を確認する
学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目6。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。
説明の根拠を確認する
2026年9月8日確認。試験の基礎学習のために要点を整理しています。制度の適用条件や改正の詳細は、リンク先の公式資料で確認してください。