写真や文章は、自由に使っていい?
お店の紹介ページを作る場面から、作品を作った人の権利を知ろう。
- 著作権が生じる時点と、登録・販売を区別できる。
- 公開された写真を再利用する前に必要な確認を選べる。
- アイデアや規則そのものと、具体的な創作的表現を区別できる。
点線のことばを押すと、意味と使い方を調べられます。
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このページの目次 4節・復習と3問
- 1説明を読む
- 2復習する
- 3問題を解く
- 4次へ進む
1作品を作った人の権利を知る
自分で撮った写真や、工夫して書いた文章には、作った人の表現があります。思想や感情を創作的に表現したものを著作物、その作り手を著作者といいます。
- 著作物には、コピーや公開などの利用をコントロールする著作権が、原則として作った時点で生まれます。役所への登録や、作品への©マークの表示が権利発生の条件ではありません。
- インターネット上で誰でも見られる写真でも、別のサイトへコピーしてよいとは限りません。
閲覧できることだけでは、複製・公開の許諾は分からない。
2何をするのか、許されているのかを確かめる
作品を複製することと、インターネットで公衆に送信することでは、関わる権利が異なります。店の紹介ページに他人の写真を載せるなら、権利者の許諾や、素材の利用条件を確認します。作者名や出典を書くだけで、無断転載が認められるわけではありません。
引用は、自分の説明や批評のために、公表された他人の文章などを必要な範囲で取り上げることです。例えば、本の一節をかぎ括弧で示し、自分の意見と区別します。自分の説明が中心で引用が補助となる関係や、どの作品の誰の表現かを示すことなどを確かめます。
法律の定める「公正な慣行」「目的上正当な範囲」などの条件を満たす必要があります。
写真を載せることと、文章を引用すること
ハルとビットで、使い方を確かめよう
他の人が撮ったケーキの写真、誰でも見られるからお店の紹介に使えるのかな?
見られることと、コピーして公開できることは別だよ。まず、その写真の利用条件を確かめよう。
撮った人の名前を書けば大丈夫、というわけでもないんだね。
うん。許可を取る、自分で撮る、目的に合う利用許諾のある素材を使う、といった方法を考えよう。
3アイデアと表現、作り手の人格を分けて考える
「カフェを紹介する」というアイデア自体と、実際に書いた文章や撮った写真は別です。著作権は原則として表現を保護し、アイデアそのものを独占させる仕組みではありません。また、著作者には、公表の仕方や名前の表示、意に反する改変などに関わる著作者人格権があります。
著作権の譲渡と著作者人格権は別で、人格権そのものは譲渡できません。会社の仕事で作った作品の著作者が誰になるかは、職務著作の要件などを確認します。
4書いてなくても、作品になる?
著作権で見るのは、紙に書いたかどうかより、創作的な表現があるかです。原稿のない講演にも創作的な表現があれば著作物になり得ます。一方、単なる事実の伝達や、計算手順の考え方そのものは、それだけで著作物にはなりません。
- プログラムを具体的に記述したソースコードや、工夫して書いた操作マニュアルは保護され得ます。
- プログラム言語、プログラム上の規約、アルゴリズム(問題を解く手順)そのものは、プログラムの著作権では保護されません。通信の約束であるプロトコルも、約束そのものと、それを説明する文章の表現を区別します。
- 他人の作品をもとにせず独立して創作した場合と、他人の表現をコピーした場合も異なります。特許は、他者と別々に発明しても権利に抵触する場合があり、著作権とは判断が違います。
仕事で作った文章が必ず個人の著作物になるとは限りません。会社等の発意、業務従事者が職務上作成したこと、法人名義の公表、別段の定めの有無など、職務著作の要件を確認します。プログラムでは法人名義で公表する要件はありません。
権利の種類と、守る対象を組み合わせて考える。
参考:e-Gov:著作権法 ↗
参考:e-Gov:特許法 ↗
ハルとビットで、使い方を確かめよう
話しただけでも作品なの?
うん。紙に書いたかより、創作的な表現があるかを見るんだ。
5家庭で楽しむ、授業で使う、ネットで公開する
著作権には、目的や条件に応じて許諾なしで使える場合があります。私的使用は、個人や家庭内などの限られた範囲で使うための複製です。無料であっても、誰でも見られるサイトへの公開は私的使用とは別です。
違法に公開された音楽・動画だと知りながら保存する行為などは、私的使用でも認められません。漫画・文章等の違法ダウンロードにも規制があり、軽微なものなどの除外や刑事罰の条件は別に定められています。「知らずに画面を見ただけでもすべて犯罪」と一括りにしません。
学校など営利を目的としない教育機関では、授業を担当する人と受講者が、授業に必要な範囲で公表済みの著作物を利用できる特例があります。ただし、権利者の利益を不当に害する利用は除かれ、公衆送信には原則として補償金の仕組みがあります。
学習目的の一般公開サイトなら自動的にこの特例が使える、という意味ではありません。
歌の利用では、作詞・作曲した人の著作権だけでなく、歌った人、レコード製作者、放送事業者等の著作隣接権にも注意します。
| 見分ける対象 | 意味・使う場面 |
|---|---|
| 家庭で自分が楽しむ複製 | 私的使用の条件と例外を確認 |
| 学校の授業で教材を送信 | 対象機関・授業目的・必要な範囲・補償金を確認 |
| 一般公開サイトに掲載 | 無料でも私的使用や授業の特例と同じではない |
| 録音された歌を使う | 著作者と、実演家等の権利を分けて確認 |
「無料」「勉強のため」だけでは利用の可否は決まらない。
参考:e-Gov:著作権法 ↗
参考:文化庁:著作権の解説 ↗
ハルとビットで、使い方を確かめよう
勉強のためならネットに載せてもいい?
学校の授業の特例と、誰でも見られる公開は違うよ。使い方ごとに条件を見よう。
6AIに読み込ませるときと、作ったものを使うとき
AI(Artificial Intelligence:人工知能)への入力・学習と、生成された文章や画像の公開は、別々に考えます。
- 学習・解析:作品を鑑賞するように表現を味わうことが目的ではない情報解析は、著作権法第30条の4で許諾なく行える場合があります。ただし、必要な範囲や権利者の利益を不当に害しないことなどの条件があり、学習なら何でも自由ではありません。
- 生成・利用:出力が既存作品の創作的表現と共通すること(類似性)、その作品をもとにしたこと(依拠性)などを確認します。権利制限の対象でなく、侵害の条件を満たす画像を公開すれば、AIで作った場合も問題になります。
- 生成物自身の権利:AIが自律的に生成したものと、人が創作の道具としてAIを使ったものでは、著作物に当たるかの判断が異なります。「生成ボタンを押せば必ず自分に著作権が生まれる」とは言えません。
例えば、家庭で鑑賞するために画像を生成する行為と、その画像をお店の広告として公開する行為は、同じ画像でも利用条件が違います。入力には個人情報や秘密、公開には商標・意匠等の別の権利も関わります。
生成できたことは、そのまま公開できることの証明ではない。
参考:e-Gov:著作権法 ↗
参考:文化庁:著作権の解説 ↗
7自分で撮った写真でも、写った人の権利を考える
写真を撮った人の著作権と、写っている人の権利は別です。肖像権は、顔や姿をみだりに撮影・公表されない利益に関わります。撮影・公表の場所、目的、方法などの事情で判断され、専用の「肖像権法」という一つの法律で全てが決まるわけではありません。
パブリシティ権は、著名人の氏名や肖像等が持つ「その人だから買いたい」という顧客吸引力を、排他的に利用する権利に関わります。著名人の写真を、それ自体を売り物にする商品へ無断で使う場面などで問題になります。
お客さんが写る店内写真を公開するなら、写真の著作権だけでなく、撮影・掲載の同意や利用目的も確認します。報道なども含め、人物が写ればいつでも違法と機械的には判断しません。
一枚の写真に、複数の人の権利が関わり得る。
ハルとビットで、使い方を確かめよう
自分で撮った写真なら、自由に売っていいと思ってた。
撮影者の権利と、写っている人の権利は別なんだ。
復習
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問題で確かめる
学んだことを問題で確かめよう
過去問を参考にした独自問題1問、入門の確認問題2問で、この範囲の考え方を使います。答えを選んだら、正解の理由とほかの選択肢の違いも確かめましょう。
ヒントを見る
手続がなくても発生する権利だったね。
オリジナル入門問題 · シラバス 6.5
3問中0問の答えと解説を確認しました。選んだ答えの理由も確かめてから、次へ進みましょう。
出典・参考資料を確認する
学習範囲:IPA シラバス Ver.6.5 ↗ 項目4。身近な例・会話・図解・確認問題は当サイトのオリジナルです。
説明の根拠を確認する
2026年9月8日確認。試験の基礎学習のために要点を整理しています。制度の適用条件や改正の詳細は、リンク先の公式資料で確認してください。